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「決めるつもりだったので残念」久保建英、絶妙ループもわずかに枠外

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練習試合で決定機を逃し、悔しがるFW久保建英

[5.15 国際親善試合 U-20日本代表3-2U-20ホンジュラス代表 エコパ]

 のけぞって倒れ込んだ。45分ハーフの国際親善試合後に行われた30分1本の練習試合。U-20日本代表FW久保建英(FC東京U-18)は終了間際の28分に絶好機を迎えながら、狙い澄ました左足ループシュートはわずかにゴール左へ外れた。

「決めるつもりだったので残念です」。MF市丸瑞希からのロングパスで最終ラインの背後を取り、絶妙なファーストタッチで足下に落とすと、そのままドリブルでPA内に進入。前に出てきたGKの頭上を越すループシュートは緩やかな軌道を描いてゴール方向に向かったが、惜しくも枠を捉えられず。思わずピッチに突っ伏した久保は座り込んで悔しさをあらわにした。

 親善試合は2-2の後半16分から途中出場。5人同時交代でリズムを変え、直後のCKから決勝点が生まれた。「途中から出たのは自分だけじゃない。5人で流れを変えられたらと思っていた」。後半27分には右サイドからドリブルでカットイン。2人をかわしてスルーパスを通したが、走り込んだMF遠藤渓太よりも一歩早く相手GKにクリアされた。

 その後もフリーランニングでたびたびボールを呼び込んだが、なかなかパスが入らない。両手を広げてアピールする姿もあったが、試合後は「選択肢がたくさんある分、自分に出てこないこともある。そこは選択肢の一つと取ってもらえれば」と至って冷静だ。体格では相手に分があっても、シンプルにさばくシーンと自分で仕掛けるシーンの選択も確実で、「今日はフィジカル勝負をしていない。わざわざ(フィジカルの差を)感じなくてもいい」と、U-20W杯出場国相手に自分の良さを存分に発揮した。

 15歳とは思えない堂々たるプレーぶりに西野朗技術委員長も「まったくミスしていないし、本当に余裕がある。よく周りが見えているし、コンタクトを受ける前にハタくとか、もらい直すとか、仕掛けるところは仕掛けるし、相手の逆を取ったり、本当にクオリティーが高い」と賛辞を惜しまない。久保にボールが入るだけでスタンドから歓声が沸くシーンもあり、「想定外のプレーというか、予想外というか、『ここは難しいな』と思っても彼の場合は発想があるから、3人くらいに寄せられても余裕を持ってやっていた。練習試合でこんなに沸くことはあまりない」と驚きを隠さなかった。

 チームは明日16日に国内合宿を打ち上げ、17日に韓国へ移動する。21日のU-20W杯初戦・南アフリカ戦に向け、「いいシミュレーションになった。球際、切り替え、カウンターの速さ。初戦を十分にイメージできた」と頼もしい新星は自身初の世界大会に向け、徐々にモチベーションも高めている。

「やるからには高いところを狙いたいというのは変わっていない。チームというのが日本の特徴だと思うし、そのまま日本としていいところまで行けたら」。チームとして上位進出を誓う最年少の15歳は「ピッチ内の自分に注目してほしいというのはある。できればドリブルとかに注目してほしい」と、開幕が待ち遠しい様子だった。

(取材・文 西山紘平)
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