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[関東]筑波大vs慶大はスコアレスドローも、互いに引かぬ好ゲーム

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筑波大と慶大は熱戦の末にスコアレスドロー

[5.14 関東大学L第5節 筑波大0-0慶應義塾大 味フィ西]

 第91回関東大学リーグ1部の第5節が14日に行われ、味の素フィールド西が丘で行われた第2試合では筑波大慶應義塾大が対戦し、スコアレスドロー。両守護神の好守が光ったほか、互いに最後まで運動量を落とさずに戦い抜いた一戦は勝ち点1を分け合う結果となった。この結果、筑波大は3位、慶大は7位と順位は変わっていない。

 筑波大は前節で退場となった影響でMF三笘薫(2年=川崎F U-18)が出場停止。FW中野誠也(4年=磐田U-18)、MF高嶺朋樹(2年=札幌U-18)、MF西澤健太(3年=清水ユース)がそれぞれ2戦ぶりに先発へ戻り、西澤が2列目左へ入った。対する慶大では2戦連続ゴールのFW渡辺夏彦(4年=國學院久我山高)がFW近藤貫太(4年=愛媛)と2トップを組み、2列目右ではルーキーMF杉本崇太朗(1年=名古屋U18)が3戦連続の先発出場を果たした。

 試合が終わってみれば筑波大のシュート数は19本と慶大の4本を大きく上回ったものの、内容的にはほぼ互角といえるもの。立ち上がりから果敢にプレスをかける慶大と、それに屈せず攻めかかる筑波大という真っ向勝負が続いた。前半21分、右サイドMF長澤皓祐(3年=FC東京U-18)から、追い越して走り込んでいたDF会津雄生(3年=柏U-18)がPA右からシュートもサイドネット。同23分には長澤のパスを受けた会津がファーサイドへクロス。西澤のシュートはGK上田朝都(2年=横浜FMユース)に止められた。

 対する慶大は素早い攻守の切り替えでチャンスも演出。前半30分にはDF手塚朋克(4年=静岡学園高)のクロスのこぼれを拾ったルーキー杉本がPA右からシュートを放つも、クロスバーを叩いた。拾ったMF小谷春日(3年=藤枝東高)が至近距離から狙うがGK森本泰介(4年=栃木ユース)に弾かれる。0-0で前半を折り返した。

 後半に入っても一進一退の攻防が続く。後半10分にはドリブルで仕掛けた長澤がPA内で手塚に倒されたかに見えたがノーホイッスル。ファウルすら認められずに試合は進む。後半14分、長澤の左クロスから対角の中野がダイレクトで狙うもクロスバー上へ大きく外した。同16分、会津の右クロスはDF沼崎和弥(2年=暁星高)にクリアされ、最後はGK上田に防がれた。

 後半だけで11本ものCKを得た筑波大だが、いずれも得点にはつなげない。後半11分には西澤の右CKにDF小笠原佳祐(3年=東福岡高)があわせたがクロスバー上。同16分には再び同じ場面を迎えたがDFに阻まれた。同17分には西澤の左CKをファーサイドの小笠原が落とし、最後はDF鈴木大誠(3年=星稜高)が頭で狙うも決めきれない。

 後半18分に長澤に代わり、FW北川柊斗(4年=名古屋U18)を投入。同25分には左サイドから持ち込んだMF鈴木徳真(3年=前橋育英高)のパスからPA右の中野がシュート。決定的な場面もGK上田に弾かれる。こぼれに詰めたが、またも上田に足で阻まれた。その後はCKから北川がヘディングシュートを打つもクロスバー上。1点が遠い。同31分にはMF戸嶋祥郎(4年=市立浦和高)に代わり、MF松村遼(3年=國學院久我山高)。同37分には投入したばかりの松村に代えて、ルーキーMF生地慶充(1年=FC東京U-18)を入れた。開幕戦以来のベンチ入りだった生地が大学リーグ初出場した。

 対する慶大は後半17分に杉本に代わって、ルーキーFW松岡瑠夢(1年=FC東京U-18)を投入。同26分には近藤の右CKに正面のDF岩崎湧治(3年=仙台ユース)が頭で合わせたがクロスバーを叩く。同32分には足を痛めた主将の手塚が交代し、DF中井建太(4年=青森山田高)が入る。同36分、最後の交代カードを切り、MF片岡立綺(4年=桐蔭学園高)に代えて、MF八田和己(2年=桐蔭学園高)が入った。

 終盤に入っても互いに気持ちを切らすことなく熱戦は続く。筑波大は奪っては中野と北川を的に攻め込んだ。後半42分には西澤の左クロスに生地が詰めたが枠外。同45分にはMF野口航(4年=大津高)のパスに中野が抜け出したところ、PA手前左でDF沼崎に倒され、FKを獲得。西澤の蹴り入れたボールがPA手前正面へ流れ、鈴木徳が拾うがシュートにはつなげず。

 アディショナルタイムにも激しい攻防。後半アディショナルタイム3分、慶大はMF落合祥也(2年=横浜FCユース)のスルーパスに近藤が抜け出すもオフサイド。同4分にはカウンターで決定機。渡辺のパスを左サイドで受けた小谷がドリブルで持ち込み、シュートを放ったがGK森本に弾かれた。ここで出た左CK、近藤からファーサイドの岩崎が頭で叩くもDFにクリアされる。

 猛攻実らせたい筑波大は同アディショナルタイム5分、野口が生地とのパス交換で左サイドへ抜け出し、マイナス気味のクロス。最後は鈴木徳がミドルを放つが決めきれない。終了間際にはCKからPA右の北川がシュートも枠上へ大きく外した。試合を通じてシュート19本、CK17本、直接FK17本を得た筑波大だが、慶大の好守を前に1点が遠く。0-0で試合は終了。勝ち点1を分け合った。 

 試合後、筑波大の小井土正亮監督は「今日だったら勝たないと……」と苦い表情。「しっかりと点を取るというところでいうと、あとは決めるだけというところで相手のGKを褒めるしかないと思います。決めきれないなか、最後の最後までゴールを目指してはくれていたのですが……」と両校の選手を労いつつ、取材対応中に近くを通りかかった西澤を見かけると「CK、17本!17本で1本も入っていないんだけど、西澤くん!」と冗談交じりにプレッシャー。「ショート(コーナー)は1回だけ。そういう判断……!」と発破をかけられ、前節では直接FKを沈めた抜群の精度を誇るキッカーも、この日は苦笑いで応じるしかなかった。

(取材・文 片岡涼)
●第91回関東大学1部L特集

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