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初戦で追い詰められたプレミア勢・阪南大高、1-3から帝塚山泉ヶ丘に逆転勝ち!:大阪

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後半25分、阪南大高はFW福羅光希が勝ち越しゴール

[5.14 総体大阪府予選6回戦 阪南大高 5-3帝塚山泉ヶ丘高 J-GREEN堺]

 平成29年度全国高校総体「はばたけ世界へ 南東北総体2017」サッカー競技(宮城)の大阪府予選は14日に6回戦を行い、プレミアリーグWEST所属の阪南大高が帝塚山泉ヶ丘高に5-3で逆転勝ちした。阪南大高は21日の準々決勝で桃山学院高と戦う。

「プレミアおったら、見下せると思っている。周りからの(プレミア勢の阪南大高は強いという)空気感もありました。自分達が良いんやないということに、きょうの試合で気づけたんやないかと思います」。阪南大高の濱田豪監督は一時2点ビハインドを負い、何とか逆転勝ちした試合後、疲れきった表情で語っていた。

 主将のCB吉田伸弘(3年)も「慢心していたと思います」と振り返る総体予選初戦。初挑戦のプレミアリーグWESTで優勝候補筆頭の広島ユースやG大阪ユースから勝ち点1をもぎ取るなど、格上相手に健闘していたことが過信となったか、チームはメンタル面の準備が不十分だった。

 スローインにゆっくりと入ってしまうなど、緩さのあった立ち上がり。前半11分に帝塚山泉ヶ丘FW和田渚(3年)に先制点を許した阪南大高は、29分にMF宮崎空翔(3年)が同点ゴールを決めたが、32分にFW松永賢太(2年)に勝ち越しゴールを奪われてしまう。さらに、後半14分にもカウンターからMF福井晴紀(3年)に左サイドのスペースを突かれ、最後は松永に右足で決められてしまった。

 まさかの2点ビハインド。だが、危機感が増し、「開き直るしかなかった」(吉田伸)という阪南大高がここから意地を見せる。16分、ドリブルで持ち込んだMF岩丸翼(3年)がPKを獲得。これを吉田伸が右足で決めると、さらに17分にはPAでの混戦から最後は岩丸が豪快に左足を振り抜いて同点に追いついた。

 こうなると、流れは阪南大高へ。25分にFW福羅光希(3年)が決めて逆転に成功すると、31分にも左SB小川大空(3年)のアシストから岩丸が決めて5-3で勝利した。吉田伸は「この1週間の練習も盛り上がらなかったし、準備ができていなかった。自分達の中で行けるんじゃないかと余裕みたいなのがあったので、もう一回締め直さないといけないと思います」と厳しい表情。意地の勝利で準々決勝を戦う権利を得た阪南大高は気持ちを締め直して次の試合への準備をする。

 現在、3分2敗のプレミアリーグの戦いについて、濱田監督は「格上には戦えている。でも、(勝ち点3を掴むために)勝負の相手に戦えない。だから勝ち点が積み上がらない」と指摘する。得点は5試合でわずか2。自分達に力がある訳ではない。この日はそれを再確認させられた。それでも指揮官は「(謙虚に自分達の力が無いことに)気づき始めてきている」と語り、吉田伸は「去年のチームでも今年よりも全然強かったのに全国に行けていない。勝ち抜く厳しさは分かっているのでもっと頑張っていかないといけないと思っています」。この日、金星献上を免れた阪南大高。選手達は濱田監督も認めるマジメさを持って取り組み、目の前の一戦一戦に集中して泥臭く勝ち上がる。

(取材・文 吉田太郎)
●【特設】高校総体2017

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