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美技の応酬…“クリスマスツリー”採用の湘南が松本撃破で2位浮上!

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[5.21 J2第15節 松本1-2湘南 松本]

 3位の湘南ベルマーレが敵地で10位の松本山雅FCに2-1で勝利した。後半2分にFW野田隆之介の今季初得点で均衡を破り、同8分に松本FW石原崇兆から同点弾を奪われるも、同17分にFW山田直輝がヘディングで決勝点を奪取。ビューティフルゴールの応酬となった一戦を制し、2試合ぶりの白星で自動昇格圏内の2位に浮上した。

 松本は主力を休ませた前節の山形戦(0-1)から先発5人を変更。DF安川有が今季初スタメンを果たした他は、DF田中隼磨、MF岩間雄大、MF工藤浩平、FW高崎寛之が2試合ぶりに先発復帰となった。フォーメーションは従来通り3-4-2-1。安川は左ウイングバックを務めた。

 一方、湘南は前節の福岡戦(0-3)からのスタメン変更はなし。しかし、布陣は慣れ親しんだ3-4-2-1ではなく、前節に続いて4-3-2-1を採用した。最終ラインは右からDF岡本拓也、DF山根視来、DFアンドレ・バイア、DF石原広教。中盤はMF秋野央樹をアンカーに据え、両脇にMF石川俊輝とMF齊藤未月を配置した。前線はMF菊地俊介と山田が2シャドーを担い、1トップには2試合連続スタメンの野田。“クリスマスツリー”とも呼ばれるシステムで2試合ぶりの勝利を目指した。

 湘南は開始から多くの選手がポジションを流動的に変えながらゴール前に殺到。守備時は前線と最終ラインを圧縮し、相手にスペースを与えない。劣勢の松本はサイドに起点を作って打開を図ると、前半12分に右サイドの工藤が左足でクロスを上げ、ニアの高崎が相手DFに体を寄せられながらもヘディングシュート。しかし、GK秋元陽太にセーブされた。

 ボールを保持しながら相手をジリジリ追い込んでいく湘南も前半32分、PA手前中央の山田に右から斜めのくさびが入る。前を向いた山田はシュートチャンスをうかがいながら冷静に左へラストパス。PA内左でフリーの石原が右足で狙うも、シュートはGK村山智彦にストップされた。直後の同33分には山田が敵陣中央から右足で強烈なミドルシュート。だが、左ポストの外側すれすれを通過していった。

 人数をかけた攻撃でゴールをこじ開けにいく湘南に対し、松本はシンプルな攻め方でワンチャンスを狙う。前半40分にはGK村山からのロングフィードを高崎が頭で流し、受けた工藤がリターンパス。高崎はPA手前左から右足のインサイドキックで狙うが、シュートはわずかにゴール右へ外れ、前半はスコアレスで終了した。

 後半に入り、先にゲームを動かしたのは湘南。後半2分、左サイドの石川が右足でクロスを送り、飛び出したGK村山にパンチングで弾かれるも、セカンドボールに反応した岡本がPA手前右からヘディングで前方に送る。PA内でGK村山を背負いながら受けた野田が胸トラップから右足のオーバーヘッドを決め、移籍後初ゴールを挙げた。

 しかし、ホームの松本もすぐさま反撃。後半8分、左サイドの安川からのスローインを石原が受けると、巧みな方向転換でマークを剥がし、PA手前左で右足を振り抜く。低く巻いたシュートがここしかないというゴール右隅のコースをとらえ、1-1とした。

 野田と同じく石原もこれが今季初ゴール。そして、この流れは次の1点にも続く。後半17分、右CK崩れから左サイドのアンドレ・バイアが左足でクロスを送ると、見事な跳躍で石原に競り勝った山田がニアからヘディングシュート。ボールは横っ飛びしたGK村山の右手を弾き、ゴール左に決まった。

 山田の今季初ゴールで勝ち越した湘南。後半24分にはDF後藤圭太のバックパスを奪った石川から野田を経由し、PA内中央の山田が決定機を迎える。しかし、左足のシュートはカバーに戻っていた岩間に体でブロックされ、突き放すチャンスを逃した。

 1点を追いかける松本は後半36分に後藤を下げ、FW三島康平を投入。前線のターゲットを増やし、力技で湘南をねじ伏せにいくが、あと一歩及ばず。2009年から3シーズン、湘南で指揮官とヘッドコーチの間柄だった反町康治監督とチョウ・キジェ監督の師弟対決は、チョウ・キジェ監督に軍配が上がった。湘南は前節の敗戦から見事に立て直し、2試合ぶりの白星。敗れた松本は今季初の2連敗を喫した。


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