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指揮官も称賛の“苦しい時間帯のMVP”…冨安健洋「勝つっていうのは気持ち良い」

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U-20日本代表DF冨安健洋(福岡)

[5.21 U-20W杯GL第1節 U-20日本 2-1 U-20南アフリカ 水原]

 危機が訪れれば体を投げ出してでもゴール前に立ちふさがる。試合終了のホイッスルが吹かれるまで集中力を切らさず、南アフリカを最少失点に抑えて2-1の勝利に貢献したU-20日本代表のDF冨安健洋は、試合後に充実した表情を浮かべた。

 試合の入りは良くなかった。ロングボールを主体に、攻撃陣のスピードを生かしてゴールに迫る南アフリカの後手に回り、前半7分にはMFグランド・マージマンのシュートが冨安に当たる不運な形でのオウンゴールで先制点を献上した。

「失点の場面は自分はオフサイドで止めて、(初瀬)亮くんは(相手に)ついていったので、連係が合っていなかった。あとで話したけど、自分が下げておけば、あの失点はなかった」。最終ラインが統率されていなかったことで献上した先制点と反省した冨安は、「あとから聞いたら、シュートも外れていたそうなのでショックだった」と振り返る。さらに前半33分にはMFルーサー・シンのキックフェイントに翻ろうされる場面もあったが、徐々に落ち着きを取り戻していった。

 後半3分のFW小川航基(磐田)、同27分のMF堂安律(G大阪)の得点で逆転してからは南アフリカの反撃に遭ったが、最後まで粘り強く対応する。「最後にしっかり体を張るのは内山(篤)監督も、アビスパの井原(正巳)監督も言っている」と、指揮官の教えを体現。後半41分にはCKの流れから南アフリカに決定機を創出されたが相手のシュートコースに一気に体を寄せてブロックするなど、ゴールを守り抜く原動力となった。

 チームを率いる内山篤監督も冨安への賛辞を惜しまない。「彼は修正能力が高く、予測もでき、柔軟性もある。今日はディフェンスの最後のところ、彼が苦しい時間帯のMVPだと思っています」。“苦しい時間帯のMVP”と評された男は、「勝てたからかもしれないけど、後半は特に楽しみながらやれたし、勝つっていうのは気持ちいいなと思います」と逆転勝利での白星発進に喜びを爆発させた。

(取材・文 折戸岳彦)
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