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逆境でまた見せた底力!0-3から追いついた都立高島がPK戦制して東京ベスト18入り!

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勝利の瞬間、歓喜を爆発させる高島高イレブン

[5.21 全国高校総体東京都予選1次予選2回戦 専修大附高 3-3(PK1-3)高島高 駒沢第2]

 平成29年度全国高校総体「はばたけ世界へ 南東北総体2017」サッカー競技(宮城)東京都予選は21日、1次予選2回戦を行い、専修大附高と高島高がベスト18入りを懸けて激突。専大附に3点を先取されながらも追いついた高島が、3-3で突入したPK戦を3-1で制し、1次予選決勝へ進出した。高島は28日の1次予選決勝で國學院久我山高と対戦する。

 逆境を迎えても乗り越える強さがある。高島は前半、専大附のレフティー、10番MF船間大紀(3年)に先制点を奪われると、終了間際にも前線でFW坂下樹弥(3年)に粘られ、こぼれ球を船間に左足で叩き込まれてしまう。
 
 船間の質の高い左足キックとFW吉本翔(3年)や坂下のスピードを活かした専大附の攻撃の前に0-2で折り返した高島だが後半、GK橋本聖(2年)らの好守に支えられて反撃。ボールを正確に動かして攻め返すと、鋭く相手の背後を突くMF成嶋光(2年)や10番FW佐藤廉(3年)の動きがチャンスをもたらす。

 だが、専大附は守備範囲広く守っていたGK千本僚太(3年)を中心にゴール前で粘り強く対応して得点を許さない。逆に飲水タイム明けにMF橋本翔(3年)が追加点を奪って勝敗の行方を大きく傾けた。

 だが、山崎篤史監督が「ここまで引っくり返していたゲームがありましたし、2点差くらいならば……と。(選手たちも)1つ返せば、と信じてやっているのかもしれないです」と評する高島は諦めない。佐藤のゴールで追撃を開始すると、「2点差になった時にこれは行けるなと思った」というGK橋本の言葉通りに、MF金原諒太(3年)の右足PKと佐藤のこの日2点目となるゴールによって同点に追いついた。

 新人戦の東京成徳高戦で0-2から追いついてPK戦を制し、今回の支部予選決勝でも目白研心に0-2からひっくり返しているという高島が見せた底力。その高島は3-3で突入したPK戦でも1人目と2人目が連続で失敗しながら、GK橋本が後攻・専大附の1人目から3人連続で止めて見せる。

 そして、最後は2-1から5人目のCB荒木大空(3年)が冷静に右足シュートを決めて決着。すると、荒木と殊勲の橋本へ向かってピッチの選手や、ベンチメンバーたちが一気に駆け寄り、歓喜を爆発させた。

 山崎監督は「もっと主導権を握って攻めたかった。はじめからやってくれればいいんですけれど」と苦笑していたが、選手たちの見せた驚異的な粘りと勝利を喜んでいた。そして「泥臭く、諦めないでやるだけです」。次は優勝候補の國學院久我山と2次予選進出を懸けて戦う。関東大会予選では優勝した関東一高に前半終了間際まで無失点で粘りながらも0-3で敗戦。「今度こそ(都大会で)1回、2回勝ってやろう」(GK橋本)という目標はこの日の2勝目で果たしたが、まだまだ止まるつもりはない。「諦めない」高島が強豪との1次予選決勝でも最後まで勇気を持って戦い抜く。

(取材・文 吉田太郎)
●【特設】高校総体2017

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