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「これじゃ終われない」と意地見せるも…久保建英、敗戦に「正直悔しい」

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ドリブル突破を狙うU-20日本代表FW久保建英(FC東京U-18)

[5.24 U-20W杯GL第2節 U-20日本 0-2 U-20ウルグアイ 水原]

 出番は突然やってきた。前半16分にFW小川航基(磐田)が着地の際に負傷し、プレー続行が不可能と判断される。攻撃の基点となるだけでなく絶対的な得点源となるエースが負傷。危機に陥った日本ベンチが代わりにピッチに送り出したのは、U-20日本代表最年少の15歳FW久保建英(FC東京U-18)だった。

 21日の初戦・南アフリカ戦では後半14分から途中出場すると、いきなりスルーパスでシュートチャンスを演出するだけでなく、同27分にはMF堂安律(G大阪)の決勝点をアシストと攻撃を活性化させた久保だったが、ウルグアイ戦では急きょの出場となり、「体が温まっていなくてファーストタッチがうまくいかず、全然いい入りができなかった」。そう振り返ったように、前半はなかなかボールに絡めずに好機を生み出すことはできず、同38分にはウルグアイに先制点を献上してしまう。

 しかし、「ハーフタイムに『これじゃ終われない』と思っていた」と気合を入れ直して、後半のピッチに立つと次々と決定機に顔を出す。まずは後半10分、MF市丸瑞希(G大阪)が放ったループシュートのこぼれ球に反応して、ヘディングシュートを狙うがジャストミートさせることができずにボールは枠上に外れた。

 そして後半13分には、縦パスを受けると寄せてくる相手選手をフェイントで翻ろう。PA内に進入して強烈な左足のシュートを放ったが、相手GKに弾き出されてしまう。その後もボールに積極的に絡み、同22分には絶妙なスルーパスをFW岩崎悠人(京都)へと供給したものの、最後まで日本に得点は生まれず、後半アディショナルタイムにダメ押しゴールを奪われて、0-2の完封負けを喫した。「これじゃ終われない」と後半のピッチに向かった久保だったが、「何回もあったチャンスを決め切れず、逆に相手は一発で決めてきた」と悔しさを滲ませた。

 病院に向かったという小川の症状は明らかになっていないが、27日の第3戦イタリア戦の出場は微妙と言わざるを得ない。だが、ここまでの練習でもあまりコンビを組んでいなかった岩崎との連係にも不安はないと話す。「自分はどの選手と出ても、その選手の良さが出せればいいと思っているし、逆に自分のことも理解してもらえたら嬉しい。このチームの皆とは自分の良さは分かってもらい、相手の良さは分かっているつもりなので、誰と組んでもしっかりやれるようにしている」。

 0-2の敗戦に「正直悔しい」と唇を噛みつつも、「もう終わったこと」と気持ちを切り替える。「後ろを見ずに次のイタリア戦に向けて、気持ちも体も切り替えていきたい」とグループステージ最終戦での勝利を目指す。

(取材・文 折戸岳彦)
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