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[MOM2125]神村学園FW高橋大悟(3年)_警戒する相手を上回るプレー見せた逸材。2得点3アシスト

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前半29分、神村学園高FW高橋大悟主将が左足ループシュートを決めて3-0

[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[5.25 全国高校総体鹿児島県予選準々決勝 神村学園高 7-0 樟南高 鹿児島県立サッカー・ラグビー場A]

 公式記録上の成績は2得点3アシスト。その他にも先制点の起点となるサイドチェンジや、右サイドから4点目に繋がる横パスも通して全7得点に絡んだ。自身が決めるだけでなく、周りを使うプレー、また仲間を活用して自分を活かす動きでも成長を見せる逸材が快勝の立て役者となった。

 高校トップクラスの注目レフティー、神村学園高FW高橋大悟主将(3年)は前半21分に左サイドを縦に仕掛けて上げたクロスでMF原田啓史(3年)のゴールをアシストすると、29分にミドルレンジから左足ループシュート。鮮やかな弧を描いたボールはゆっくりとゴールネットに吸い込まれた。

「トラップした瞬間にGKが出ているのが見えたので、あとは僕の得意な形というか、練習でも決めているゴールなので。とりあえず、目の前の相手に当てないことだけを意識して打ちました」

 守備意識高く守っていた樟南の一段階上を行くプレーでゴールを奪った高橋は後半にも2アシスト。そして22分には右中間から左足シュートをファーサイドのゴールネットに沈めて試合を終えた。

 序盤は簡単にはボールを受けさせてもらえなかった。高橋自身もゴールへの意欲が強くなり過ぎたこと、また緊張していた部分もあったようだが、一旦ボールが入ると突破、パス、シュートをハイレベルにしてのけた。

「やっぱり僕がボールを受けて何かすることでチームも勢いづきますし、チームも『ああ、できるんだ』となると思うので、僕だけでなくてチームの勢いという面でもそこはやっていかないといけないかなと思います」。J複数クラブが獲得を狙う逸材は何よりチームが勝つためにプレーしている。

 今年の九州新人大会では準決勝の大津高戦、決勝の長崎総合科学大附高戦でいずれもマンツーマンマークにあってゴールすることができなかった。長崎総科大附の名将・小嶺忠敏監督が「放っておいたら、3点くらい取られますよ」と高橋について評していたように、対戦する強豪校たちは神村学園のエースに仕事をさせないように、策を講じてきている。

 春の段階ではその網を個人で突破しようとして失敗もしていた。だが、自分の中で解決策が見えてきているのだという。きっかけは長崎総科大附との再戦となったプリンスリーグ九州開幕戦。「その時に変化が見えたというか、新人戦の時とは違う、自分の中で剥がし方が分かったのでそこはちょっとずつ変わって来ていると思います」。

 3月に清水エスパルスに練習参加した際に小林伸二監督から助言をもらったことで考え方も柔軟に。今まではムキになって独力でマークを外そうとばかりしていたというが、一回自分を囮にして次の動きで瞬発力を活かして引き離したり、上手く周囲を活用しながらマークを外す感覚を掴んで、より自分の力を発揮することができてきている。

 逸材レフティーは進路にも注目が集まるが、今は神村学園の勝利だけを追求している。「僕は東京五輪に出たい」というFWは今年、「もう今年は負けられないです」という親友でライバルのCB生駒仁(鹿児島城西高3年、U-18日本代表)らを乗り越えて夏冬の全国大会に出場することが何よりの目標。そして仲間たちとともに一つでも上に勝ち上がり、自身の将来の可能性も広げる。

(取材・文 吉田太郎)
●【特設】高校総体2017

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