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苦しみながらも決め所と粘り所抑えて四中工撃破!宇治山田商が初となる夏の決勝へ!:三重

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タイムアップの笛が鳴ると同時に宇治山田商高の選手たちが喜びを爆発させた

[5.27 全国高校総体三重県予選準決勝 宇治山田商高 1-0 四日市中央工高 三重交通G スポーツの杜 鈴鹿]

 平成29年度全国高校総体「はばたけ世界へ 南東北総体2017」サッカー競技(宮城)三重県予選準決勝が27日に行われ、初の全国総体出場を目指す宇治山田商高四日市中央工高に1-0で勝利。三重高と戦う決勝(28日)進出を決めた。

 序盤から試合の主導権を握ったのは四中工。主将のDF内藤祐輔(3年)が、「自分たちの思った通りのサッカーができた」と振り返ったように、ボランチのMF大辻隼也(3年)を起点に左のMF江口和磨(2年)やFW亀田哲汰(3年)らの飛び出しを引き出すと、サイドから中への折り返しから得点チャンスを伺った。前半12分には、MF矢田聖真(2年)のスルーパスに亀田がDF裏で反応。スライディングでゴールを狙ったが、シュートは枠を捕らえることができない。29分にも左サイドを上がったDF高橋卓寛(3年)の低いクロスを亀田がダイビングヘッドで合わせに行ったが、わずかに合わず。その後も、チャンスを作りながら、無得点で前半を終えた。

 対する宇治山田商が、前半に放ったシュートは0本。「こんな出来なのに、0-0で試合を折り返せたのはラッキー」(古西祥監督)という内容で前半を終えたが、ハーフタイムに「残り35分、自分たちがやりたいサッカーをしなければ自分たちが後悔する。ここまで来たなら楽しんで全力でサッカーをしようと皆で声を掛け合った」(MF右江海斗、3年)ことが奏功。後半からは、MF植村侑馬(3年)と右江のボランチを起点に、今年の武器であるサイド攻撃を繰り返し、四中工ゴールに迫った。

 均衡が崩れたのは後半15分だった。左サイドでボールを持った宇治山田商FW赤塚一生(3年)が中央にマイナスのパスを配球。走り込んだ右江が「今までの試合では同じ場所でボールを受けてもパスを選ぶことが多く、スタッフから『一度思い切って、打ってみろ』と言われていた。今日は思い切って、振り切ったら良いコースに飛んでいった」と振り返った一撃がゴール右隅に突き刺さった。

 残り10分を切ってからは、同点を狙った四中工の猛攻を受けたが、「四中工は、試合の終盤に強いので、気持ちでは負けないように意識していた。相手が前から来たので、ピンチが続いたけど、そこをしっかり凌げたのが大きい」(DF村島弘規、3年)と気迫のこもった守備でシャットアウト。1点のリードを保ったまま試合を終え、指揮官は「四中工さんに苦しめられて、厳しいゲームになったけど、決め所と粘り所を抑えることができて良い結果に繋がった」と選手を称えた。

 今年は2月に新人戦で県の頂点に立ち幸先の良いスタートを切ったが、以降は「気持ちをすぐに切り替えたつもりだったけど、どこかに気の緩みがあった」(右江)ことが原因で、県1部リーグや練習試合で白星を取りこぼす試合が続いた。だが、県総体に入り、チームが再び発奮。この日は、「宇治山田商業は県総体の決勝進出がこれまでなかったので、いつも以上に熱くなっていた」と主将のGK葉金右大桂(3年)が口にしたように、チームの歴史を塗り替えようと、懸命に戦った。

 残る試合はあと1つ。県1部リーグでは敗れた三重高が相手だが、「出ている選手は、全員3年生なので今年にかける想いは強い。絶対に全国に出たい」と村島が意気込むように、宇治山田商には勝利の二文字しか見えていない。

(取材・文 森田将義)
●【特設】高校総体2017

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