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好調なチームで放つ圧倒的な存在感…柏の大黒柱MF大谷

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柏の下部組織出身のMF大谷秀和は2008シーズンから主将を務める

[5.27 J1第13節 柏4-2大宮 柏]

「今日先制されて、その後あんまりバタつかずに、自分たちの力で返していこうというのがピッチの中から伝わってきたので、それは選手たちが1試合ごとに成長している証拠なのかなと思いました」。開始2分でセットプレーから先制を許した柏レイソル。6連勝中のチームにおいて、直近で先制点を与えたのは最後の黒星となった第6節・清水戦(●0-2)となる。それでも、下平隆宏監督は選手たちが逆境を跳ね返すことを信じていた。

「(最初の失点は)時間も早かったので。ただフワッとした入りの中でCKが続いて失点しまったのでもう一度引き締めるのと、ボールに対して強くいくのとセカンドボールへの反応はより意識させるようにしました」。柏の大黒柱であるMF大谷秀和はチームを修正させていった。

 柏は昨季、大宮アルディージャに“ダブル”(●0-2、●1-2)を許したが、その4失点はいずれも試合開始20分以内に生まれたもの。奇しくもこの日も開始2分での失点なったが「あんまり関係ないとは思いますよ」と大谷は言う。「ただ……」とキャプテンは続けた。「ここで大宮に勝ってないのは、僕はわかってました」。日立柏サッカー場では、2008年7月17日以来大宮に勝てていない(2分4敗)。その当時から主将を託され続ける男は、「(今日は)嫌な感じはなかった。大宮の守備陣に苦戦しているという印象もチームとして持っていなかった」と9年ぶりの勝ち点3でも淡々と振り返った。

 味方のピンチを未然に防ぎ、長短織り交ぜたパスで攻撃のスイッチを入れる。それに加えて、今季は最前線まで顔を出す場面が目立つ。

「チャンスがあれば、自分か手塚のどちらかが(上がる)とは言ってます。手塚はアカデミーでアンカーをずっとやっていた選手で、組み立てが得意な選手なので、必然的に自分が前に入れる回数が増えていると思います」

 大宮戦でも敵陣中央からペナルティエリアにいるFW伊東純也に楔のボールをつけると同時に走る速度を上げる。伊東、FWクリスティアーノとすべてダイレクトで経由したボールは、ペナルティエリアの大谷の元へ。大宮DFに囲まれたためシュートには至らなかったが、得点を感じさせる攻撃だった。

「前に行ったときはシュートで終わらないと。自分のスペースを空けていっているので。シュートまで持ち込めたらよりよかったですけど、ああいうプレーを続けていきたいです」

 暫定首位に立つチームにおいて、MVP級の活躍を見せる背番号7は、さらなる進化を見据える。

(取材・文 奥山典幸)

●[J1]第13節1日目 スコア速報

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