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父と同じ高校日本一へ!静岡学園は俊足ボランチMF清水綾馬が印象的な働き

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静岡学園高MF清水綾馬

[5.28 全国高校総体静岡県予選準決勝 静岡学園高1-0 浜名高 草薙陸上競技場]

 父と同じく日本一へ、そしてプロへ――。浜名高との伝統校対決を1-0で制した静岡学園高の中盤で印象的なプレーを見せたのが、MF清水綾馬(2年)だった。

「自分のストロングポイントは反応の速さとか一瞬のスピードとか。足が速いので、そういうところが活かせたらいいと思います」というボランチはこの日、相手のカウンターを警戒して守備重視の80分間。その中で反応の速さを活かしたインターセプトやセカンドボールを拾う動きを繰り返していた。

 また、清水は自信を持っている攻撃面でも、精度あるパスによってゲームメーク。前半には鋭い突破でPAへ割って入り、後半には大きな展開を見せたり、PA付近での1タッチパスで崩しのテンポアップを図っていた。リーダーシップも魅力のMFは先輩たちを鼓舞する声も。ミスの多かったチームを引き締めて貪欲に勝利を目指していた。

 父・龍蔵さんは清水でプレーした元Jリーガーで、清水市商高3年時には同学年のGK川口能活(現相模原)やDF田中誠(現磐田コーチ)らとともに全国高校選手権と全日本ユース選手権優勝を果たしている。目標は父が経験した日本一の景色を見ること。「チームとしては(県内)3冠ということが目標なんですけど、個人としてはしっかりとその後の全国制覇を考えている。まず、しっかり次の試合を集中して、勝って、全国制覇して、個人としては代表に選ばれるようにしていきたい」と誓った。

 父の指導も受けて小学生時代からメンタル面を身につけていたという清水は、「中学校では学園の部分が必要」と技術と判断力を磨くために静岡学園中へ進学し、15年12月にはU-15日本代表候補にも選出された。そしてSHやSBも経験しながら着実に成長しているMFは現在、川口修監督も「アイツは考える力が速い。瞬間的な守備力というか、危険の察知能力、ボール奪う力だったり、チャンスで行ける力もある。足が速いから、ドリブルで行くこともできるし、守備で狙いうちもできる」と期待する存在になっている。

 この日、川口監督はマンマークされたエースMF渡井理己主将(3年)に頼らないで、もっと「自分でやる」くらいの意志を持って攻撃することを清水に求めていた。また、本人はゆっくりとしたテンポで攻めないといけない展開で攻め急いでしまう部分があることを課題と感じている。「もっとゆっくり、静学らしくさばいたり、大島僚太先輩みたいなところが自分に足りないと思う」。より自信を持って攻撃すること、そして静岡学園出身のMF大島僚太(川崎F)の良さなどを貪欲に自分に加えること。「この一週間でもっとレベルアップできるように」と成長を誓うMFが、決勝も勝利して日本一への挑戦権を得る。

(取材・文 吉田太郎)
●【特設】高校総体2017

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