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[MOM2132]近江DF山内舟征(2年)_「超無名」のCBが高さ、広範囲のカバー、そして気迫の守りで完封!

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近江高CB山内舟征

[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[6.1 全国高校総体滋賀県予選準決勝 近江高0-0(PK4-3)草津東高 布引]

 1、2年生軍団の近江高が名門、草津東高をPK戦で破って決勝進出。堅守と積極的な仕掛けが特長のチームの中で印象的だったのがCBコンビだ。ゴール前で存在感を発揮していたGK土屋ヒロユキ(2年)も「CBは素晴らしいです」と評したDF山内舟征(2年)とDF長ケ原陸矢(2年)の2人。特に182cmの長身CB山内の動きが光った。

「身長とか活かしてヘディングで返すところ」を武器としているという山内は、長身を活かしたプレーのほか、対人の強さや幅広いカバーリングでも健闘した。本人は潰しの部分で不用意に一発で行ってしまっていたことを反省していたが、それでも草津東高の俊足アタッカーとのスピード勝負でもよく対応するなど完封の立て役者になった。

 前半、硬さのあった近江はミスでボールを失うシーンの連続。だが、山内は「それでもやるっていうことを決めて試合に臨んだので問題ないです」と振り返る。押し込まれる中でも集中して守っていたCBは後半、抜け出しかけたFWのランニングコースを上手くブロック。その瞬間、「気合入っていました。ここ(インターハイ予選)に懸ける思いも強かったと思いますし、みんな強い気持ちがあります」というDFは吠えて喜びを表現するなど、気迫を前面に出す部分、勝利への貪欲さも目に見えるものがあった。

 そして「球際とかも強いですし、小さいですけれどもヘディングとかも返しますし、カバーリングもできています」という長ケ原とともに最終ラインを引き締め、延長後半に自身は草津東高MF山本佳輝(2年)の決定機に身体を投げ出してブロック。仲間たちとゼロに抑え続けて決勝切符を引き寄せた。

 元々FWだったが、入学後にCBへコンバート。前田高孝監督は彼が中学時代に実績が無く、「超無名」だったことを明かすが、身体能力の高さなど、そのポテンシャルに注目している。雑だった部分を地道に少しずつ改善。そして、守備の柱となったCBが前回王者の綾羽高と戦う決勝でも、ゴールを守り抜いて1、2年生軍団を全国出場へ導く。

(取材・文 吉田太郎)
●【特設】高校総体2017

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