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主将になって男っぷりを上げている酒井高徳が試したい3つのこと

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所属するハンブルガーSVではシーズン途中からキャプテンに就任したDF酒井高徳

 7日のキリンチャレンジ杯・シリア戦(味スタ)を2日後に控え、日本代表DF酒井高徳(ハンブルガーSV)が、シリア戦を13日のW杯アジア最終予選・イラク戦(テヘラン)のシミュレーションとして戦うべきだと強調した。

 個人として「特に試したいことはない」と話すが、チームとしては確認しておきたいポイントがいくつかあるという。その一つは、攻撃の仕方、守備の仕方を試合の中で話しながら意思統一していくことだ。

「試合前や試合後に話すことは簡単だけど、それでは意味がない。試合の中でチームとしての考えを合わせていくことが重要になる」

 2点目は、試合の入り方に注意すること。昨年10月6日にホームで行われたイラク戦(2-1)は、あわやドローかという大苦戦を強いられた。後半アディショナルタイム5分にMF山口蛍の劇的ゴールで勝ち点3を奪ったが、アウェー(会場は中立地のテヘラン)ではさらに勢いを増してくることが予想される。

「イラクは力強く来ると思う。アウェーでフワッとした立ち上がりにならないように、あえて意識しながら試合に入らないといけない」

 そして、予行演習したいことのもう一つは、試合の中で悪い流れになったときに選手同士でコミュニケーションを取りながら修正していくことだ。

「試合の中では、どんな相手でもチームがうまくいっているときと、そうではないときがある。悪いときにあたふたするのではなく、だれかがイニシアチブを取って話し合い、チームとしてまた良いリズムをつくれるようにすることが大事。そこはシリア戦で試せるところだと思う」

 今季、所属するハンブルガーSVでは残留争い真っ只中のシーズン途中からキャプテンに就任。最終節での劇的な残留劇に導いた酒井高が身をもって感じたのはこの点だったようだ。

 現在は日本代表で長年、キャプテンを務めてきたMF長谷部誠が負傷のために離脱中であり、3月の予選2試合ではDF吉田麻也がゲームキャプテンを務めた。敵地で悪い流れになったときにどうすべきか。チームとして試合の中で立て直していく方策をあらかじめ確認しておきたいということである。

 ハンブルガーSVで主将を経験してから、顔つきが精悍になったと言われることが増えたという。ドイツから帰国後に帰った故郷の新潟でも「何人かから言われました」と照れくさそうに笑った。2010年1月に代表初招集を受けてから7年半。男っぷりの上がった高徳が、ピッチ内外で存在感を高めている。

(取材・文 矢内由美子)

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