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今野、乾、浅野…故障者に誤算も、ハリル「チームの中で問題も起きた」

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公式会見に臨むバヒド・ハリルホジッチ監督

 日本代表は6日、試合会場の味の素スタジアムで公式練習を行い、7日のキリンチャレンジ杯・シリア戦に向けて最終調整した。練習前にはバヒド・ハリルホジッチ監督が公式会見に出席。「(シリア戦から)6日後の試合に向けた準備のテストマッチ」と、13日のW杯アジア最終予選・イラク戦(テヘラン)への大事な“前哨戦”と位置付けた。

 海外組は5月28日から順次合流し、各選手のコンディションに応じたトレーニングを積んで調整してきた。「たくさんトレーニングを積んで、個人でも組織でもディスカッションを重ねてきた」。そう手応えを語る一方、「チームの中でいろんな問題も起きた」と、不安ものぞかせた。

 左第5趾基節骨骨折で長期離脱していたMF今野泰幸(G大阪)を実戦復帰前の時点で強行招集。シリア戦までに練習試合を含めて2試合ほど出場して代表合宿に合流することに期待していたが、実際の復帰は合流前日のJ1磐田戦となった。

「思い描いていたプランでは進まなかった」と認めるハリルホジッチ監督は「もう少し早くグラウンドに復帰するかと思っていた。試合数は少ない状態で合流した」と指摘。磐田戦は後半15分からの途中出場にとどまり、「30分ほどプレーして合流した。彼が今、どのような状態か、ここで言うのは難しい」と話すにとどめた。

 リーガ・エスパニョーラ最終節で右足首を捻挫したFW乾貴士は海外組合宿で痛みが再発。一時は別調整となり、合宿終盤にはFW浅野拓磨も右アキレス腱痛を訴えた。こうした状況を受け、バックアップメンバーのFW宇佐美貴史をシリア戦まで帯同させることが決まったが、イランには現在の26人から1人減らして25人で遠征する予定。その見極めもまだできていない。

 乾について「一緒にイランに行けるかどうかも含め、乾ともメディカルスタッフとも話した」と明かす指揮官は「100%で全部のトレーニングを重ねることはできなかった。ここ最近、ようやくパフォーマンスが上がってきた。フィジカル的にはかなり準備できている。ただ、問題はケガがどうなるか。試合に入ったとしても、5分でケガをするかもしれない」と不安を拭い切れない様子だった。

「浅野も少しケガを抱えている。少し良くなっていると聞いているが、いろんな問題がありながらチームは進んでいる」。誤算もあったが、「イラク戦は100%フィジカルの準備ができた選手が必要。イラク戦がどういう試合になるかは完璧に把握している」と力説。「明日は良いテストをしようと選手に伝えている。ハードワークと厳しさを持って戦っていこう、この試合に勝つトライをしようと。まず失点しないことが大事だとも伝えた。そのうえでイラク戦という重要な試合への準備が始まる」と、シリア戦への意気込みを語った。

(取材・文 西山紘平)

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