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[関東2部]東農大が5戦ぶり勝利!早稲田大に今季初黒星つけ、首位から引きずり下ろす

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東農大FW影森の先制シーン

[6.6 関東大学2部L第8節 早稲田大1-3東京農業大 中央大多摩C]

 第91回関東大学2部リーグ第8節の2日目が5日に行われ、中央大多摩キャンパスサッカー場の第2試合では東京農業大早稲田大に3-1で勝利し、5戦ぶりの白星を獲得した。一方で5連勝中の早稲田大だったが、今季初の黒星で首位から2位へ後退している。

 立ち上がり、主導権を握ったのは早稲田大。相手WBの背後を突く形で左SH相馬勇紀(3年=三菱養和SCユース)が仕掛けたほか、MF今来俊介(4年=桐光学園高)のボール奪取から名古屋内定のMF秋山陽介(4年=流通経済大柏高)がドリブルで切れ込んでシュートを打つなど積極的な姿勢を示す。しかしバイタルエリアでの精度を欠き、ゴールネットは揺らせない。

 対する東農大は早稲田大のサイド攻撃に対応するため、早い段階で3-4-3から4-4-2へシステムを変更。WB吉田将也(3年=成立学園高)が右SBへ回った。三浦佑介監督は「相手の相馬くんにうちの右サイドがやられていて、両脇のところも使われていた。吉田が守備力も高い選手なので、中島(拓真)と二人で抑えてほしかった。4-4-2にしてバランスをあまり崩れないようにしたほうが今までやってきたことが出るかなと」。この早めの判断が功を奏し、早稲田大は攻めあぐねるシーンが目立ち始める。

 すると前半37分に東農大がワンチャンスを決めた。FW影森宇京(2年=浦和ユース)がPA右から中央へドリブルで流れる。CB大桃海斗(2年=帝京長岡高)をかわし、MF牧寛史(3年=川崎F U-18)からMF手塚竣一朗(3年=新潟U-18)へつなぎ、PA左でリターンを受けた影森がGK笠原駿之介(2年=早稲田大本庄高)をかわして、左足シュートを突き刺した。影森の2戦連続弾で先制に成功する。

 さらに前半43分には追加点。敵陣内でのパスカットから影森がPA左へスルーパス。抜けたFW中野椋太(2年=武相高)が2-0とするゴールを決めた。前半のうちに追いつきたい早稲田大だが、DF安田壱成(4年=仙台ユース)のクロスは味方には合わず。前半45分を終える。

 迎えた後半、早稲田大が猛攻をみせる。開始4分には相馬がPA左へ鋭いドリブル突破をみせたが、あと一歩のところでCB中島拓真(4年=栃木ユース)に弾かれた。同13分には安田のスルーパスからPA右へ相馬が抜けるも、シュートはサイドネット。同16分には相馬の左クロスにFW武颯(4年=横浜FMユース)がスライディングで飛び込むも、GK内野将大(1年=関東一高)にキャッチされた。

 もどかしい時間が続くが後半20分にようやく1点を返す。CB鈴木準弥(4年=清水ユース)の縦パスを合図に一気に連動。武、MF石川大貴(4年=名古屋U18)とつなぎ、スルーパスに抜けたMF柳沢拓弥(4年=清水ユース)がPA右からゴール左へシュートを突き刺した。1-2に迫る。

 後半23分に東農大は牧に代わり、ルーキーFW石田明(1年=三菱養和SCユース)を投入。同29分には中野に代え、FW渡辺太一(2年=山梨学院高)を入れる。対する早稲田大も同28分に武に代えて、FW飯泉涼矢(4年=三菱養和SCユース)を入れた。

 1点差にした勢いそのままに追いつきたい早大は、果敢に仕掛けるが東農大の身を投げ出した守備に阻まれる。同29分には柳沢の右クロスから正面の秋山がシュートもGKに弾かれ、同30分には後方からのロングパスを受けた石川がループシュートを打つも枠外。同37分にはDF木下諒(4年=JFAアカデミー福島)に代えて、MF冨田康平(3年=市立浦和高)を投入。直後に冨田がシュート性のクロスで沸かせるもGKのパンチングに泣いた。

 東農大は慌てない。ゲームキャプテンを務めるCB中島が「試合以上の練習をしているので、それが自信につながっている。早稲田さんのほうが走力的には勝てると思いますが、今週は自分たちもそれ以上のフィジカル面の強化、練習をやってきたので、チームとしての自信ができていた。そこの面と気持ちの面で負ける気はしなかった」と振り返ったように、真っ向から早大の攻撃を受け止め続け、浮き足立つことはなかった。

 1年生守護神の内野が集中力の高さをみせ、中島とDF寺門宥斗(3年=鹿島ユース)を中心に相手の攻撃を弾き続ける。すると、後半40分に試合を決定付ける3点目。早稲田大が自陣内で軽いプレーでリスタートしたのを見逃さず。すかさずボールを奪った途中出場の渡辺が自らドリブルでPA右へ持ち込み、GKとの一対一から冷静に右足シュートを決めた。後半アディショナルタイム3分には吉田に代わり、DF加藤直生(2年=名古屋U18)を入れる。3-1で試合は終了。東京農業大が5戦ぶりの勝利を手に入れ、8位から7位へ浮上。昇格圏の2位と勝ち点12差だったところを9差へ詰めた。

 敗れた早稲田大は今季初黒星で首位陥落。別会場で勝ち点19で並ぶ2位の国士舘大が引き分けたため、勝ち点1差で2位へ後退した。主将の鈴木は「リーグ戦が22試合あるなかで、どこかで絶対につまづくときはあると思う。それが今日だった。ここからどれだけチームとして、次の試合に向けて修正して戦っていけるかが重要。負けたときにどれだけ強くなれるかだと思います」とキッパリ。1年での1部復帰へ向け、踏ん張り時がやってきた。

(取材・文 片岡涼)

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