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夏の熊本5連戦勝ち抜く!東海大熊本星翔が旧・東海大二時代の78年以来、39年ぶりの全国へ!!

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39年ぶりの全国出場を決めた東海大熊本星翔高

[6.6 全国高校総体熊本県予選決勝 ルーテル学院高 0-1 東海大熊本星翔高 熊本県営八代運動公園陸上競技場]

 平成29年度全国高校総体「はばたけ世界へ 南東北総体2017」サッカー競技(7月開幕、宮城)への出場権を懸けた熊本県予選決勝が6日に行われ、東海大熊本星翔高ルーテル学院高に1-0で競り勝ち、旧・東海大二高時代の78年以来、39年ぶり2回目となる全国総体出場を決めた。

 厳しい連戦の日程の中、前日の準決勝でルーテル学院は大津高を、東海大星翔は熊本国府高をそれぞれ破っての勝ち上がりとなったが、序盤から消耗を感じさせない熱い試合となった。

 スキルのある選手が複数いる東海大星翔は「もっとボールを持ちたいチーム」(吉岡宏樹監督)だが、ルーテル学院はその長所を前線からのディフェンスで消しにかかる。「立ち上がりはいつも悪くて、ここは課題」とMF花田駿が首をひねったように、特に序盤は星翔らしさの観られない流れだった。

 ただ、「前半の途中から自分たちの時間帯が作れるようになった」と吉岡監督が振り返ったように、星翔も徐々に盛り返す。MF吉岡涼斗、FW渡辺力斗といった選手が効果的に絡むようになると、中央で作って外を突く攻めも出るようになり、試合は拮抗していった。

 そして、この均衡していた流れを打ち破ったのはセオリー通り、「ウチの武器」(MF多良聡太郎)であるセットプレー。後半2分、名手・花田が放った左足のCKは「練習していた狙いどおり」(花田)ニアサイドの多良の頭を捉え、待望の先制ゴールが生まれた。

 このままボールを支配して押し切れれば星翔にとって理想の流れだったが、ルーテルもタダでは転ばない。選手交代から前への圧力を強め、パワープレー気味の強引な攻めから打開を図る。

 交代出場のFW植木翔が繰り出すロングスローも脅威となったが、ここからの時間帯で見せ場を作ったのが、東海大星翔GK深松裕太朗だ。「ウチは大きい選手もいないですから、高いボールは手を扱える彼次第」と吉岡監督が評する深松は「試合前から相手のロングスローが武器なのは分かっていたので、(自分が)出るところと出ないところをハッキリさせて対応した」と大声でコーチングの声を飛ばしながら対応。出たときはしっかりしたキャッチングを見せ、相手の武器を封じ込んだ。

 深松はセットプレー以外でも味方を鼓舞しながら冷静な対応を続け、ディフェンス陣ともしっかり連係しながらルーテル学院の猛攻を完封。見事に1-0で逃げ切ったみせた。

「大会前はチームの中がうまくいかない部分があったけれど、全員で話し合ってもう1回一致団結できた。この5連戦の中でチームとして成長できたことが短期決戦で勝てた要因と思う」(深松)

 無事に突破を果たし、次なるステージは全国大会。39年ぶりともなれば、経験値の上では初出場と大差ないが、深松は「もっともっといい準備をして、大会に備えたい」と夏の大舞台に向けて目を輝かせていた。

(取材・文 川端暁彦)
●【特設】高校総体2017

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