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チームメイトうならせた乾に称賛の声「さらに磨きがかかっている」「僕は走ればいいだけ」

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ゴールライン際を突破するFW乾貴士

[6.7 キリンチャレンジ杯 日本1-1シリア 味スタ]

 抜群の個人技と切れ味鋭いドリブルで4万3608人の観衆を沸かせ、チームメイトもうならせた。約2年ぶりの日本代表復帰を果たしたFW乾貴士(エイバル)は1-1の同点に追いついた直後の後半14分から途中出場。左ウイングの位置に入り、何度となくチャンスに絡んだ。

 後半19分、DF長友佑都にスルーパスを通し、チャンスをお膳立て。同32分にはゴールライン際から鮮やかなテクニックでDFをかわし、角度のない位置から右足でシュートを打ったが、惜しくもGKの好セーブに阻まれた。後半37分にはシュートが味方のFW大迫勇也を直撃する不運もあり、得点に絡むことはできなかったが、右足首捻挫の影響を感じさせないプレーを披露した。

「相手も疲れている時間で入ったので、だれが出ても同じようになっていたと思う」。本人はあくまで謙遜するが、DF吉田麻也は「乾が入ってからは、個で打開することも、サイドからコンビネーションで崩すこともできていた」と指摘。C大阪時代の2011年にチームメイトだったMF倉田秋も「相変わらず柔らかいし、上手い。さらに磨きがかかっている感じがしたので、僕も負けていられない」と、刺激を受けた様子だった。

 左サイドバックの長友との連係もスムーズで、乾が「そこのコンビネーションも良かった。自分が中に入ったら(長友)佑都くんがいいタイミングで上がってくれた」と言えば、長友も「良い関係というか、あいつが上手いから。僕は走ればいいだけだから」と笑い、「好きなだけ、好きな形でやらせればいいし、走ればボールは出てくる」と絶大の信頼を置いた。

 リーガ・エスパニョーラ最終節で痛めた右足首の状態についても「問題なくやれた」と、不安を一掃した乾。13日のW杯アジア最終予選・イラク戦(テヘラン)に向けてコンディションが上がってきたのは好材料で、「楽しくはできたけど、勝ちにつながらなかったのは反省点。楽しくやる中で結果を出さないと意味ない。でも、ここで反省できるのはいいこと。次のイラク戦が一番大事になる」と、表情には充実感も漂わせた。

(取材・文 西山紘平)

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