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世界を知った18歳…伸びしろ十分の福岡DF冨安「プロの世界は簡単ではない」

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アビスパ福岡DF冨安健洋

[6.10 J2第18節 千葉0-0福岡 フクアリ]

 世界を体感した男が戻ってきた。U-20日本代表の一員としてU-20W杯に出場したアビスパ福岡DF冨安健洋は、チーム復帰後初となる公式戦出場を果たした。

 キックオフ直後は3バックの一角に入った冨安だったが、チームが開始15分でシステムを変更すると、ボランチの位置に上がってプレーを続けた。U-20代表ではCBでのプレーを続けており、久し振りのボランチでの出場となったが、千葉攻撃をはね返すだけでなく、敵陣深くまで果敢に顔を出すなど攻撃に厚みを加えようと奮闘。しかし、本人は「うまくセカンドボールを拾い、ゲームを落ち着かせて散らせれば良かった」と自身のプレーには納得いかなかったようだ。

「落ち着かずにバタバタした中でのプレーになってしまった。セカンドは特に前半は自分のところに来ていたので、そこでマイボールの時間を増やせれば、もっと違った展開にできたと思う」。そして攻撃面では、ユースのときのプレーと比較しても、まだまだ納得できるものではないと続けた。「ユースのときとかは裏への飛び出しとかもしていたけど、プロの世界は簡単ではない。タイミングを見て前線に関わることも必要な場面はあるので、そこでうまく関われるようにしたい」。

 U-20W杯では全試合フル出場。世界を相手に通用した部分があれば、通用しなかった部分も感じたようだ。「バイタルエリアでの細かいワンタッチの連係での崩しは相手も全然ついてこれなかったし、しっかりと予測して仕掛ける守備、リアクションではない守備ができれば通用すると感じた」と攻守に手応えを得た。しかし、続けて課題を口にしている。

「勝負を決めるポイント。ゴールを奪うところ、最後のゴールを守るところ、そういった部分のパワーの入れ方、使い方を考えなければいけないし、リアクションの守備をしてしまうと身体能力の高い相手にはやられてしまうので、意図を持った守備をしなければいけない」

 世界を体感したことで、伸ばすべき部分は明確になった。伸びしろ十分な18歳は、さらなる進化を遂げるため、課題を一つずつクリアしていく。

(取材・文 折戸岳彦)
●[J2]第18節1日目 スコア速報

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