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雑草MF中村、逆立場の“出世カード”飾る…山形は群馬に完封勝ちで8戦無敗

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昨季所属した群馬でシンデレラストーリーを築いた山形MF中村駿

[6.11 J2第18節 山形1-0群馬 NDスタ]

 9位モンテディオ山形がホームで20位ザスパクサツ群馬に1-0で完封勝ちした。これでリーグ戦8試合負けなし(4勝4分)とし、暫定6位に浮上。開幕からのホーム無敗記録も9試合(5勝4分)に伸ばした。

 山形は前節の岐阜戦(1-1)から先発1人を変更。MF風間宏希に代わり、その岐阜戦で同点ゴールを挙げたMF中村駿が8試合ぶりにスタメン復帰した。

 中村はルーキーイヤーの昨季、群馬にアマチュア契約で加入し、昨年5月7日にNDソフトスタジアム山形で行われたJ2第12節の山形戦(1-3)でJリーグ初得点を記録。その翌節から先発に定着し、同年6月1日付けでプロ契約を勝ち取った。2016年シーズンは34試合出場4得点とブレイクし、今季から山形に完全移籍。“出世”のきっかけとなった対戦カードを逆のチームで迎えた雑草MFは、3-4-2-1のボランチに入った。

 一方、群馬も前節の徳島戦(0-2)からのスタメン変更は1人。DF市川恵多に代わって出場停止明けのDFパク・ゴンが2試合ぶりに復帰し、3-4-2-1の左センターバックを務めた。

 前節に連勝が3で止まったチーム同士の対戦。バックラインから丁寧にボールをつなぐ群馬に対し、山形は前から圧力をかけて押し込んでいく。

 前半3分には敵陣の左サイドでルーズボールを拾ったMF瀬川和樹が前線に送り、PA手前左のFW阪野豊史が胸トラップから右足を一閃。グラウンダーのシュートがゴール左隅をとらえ、ホームの山形が幸先よく先制に成功した。阪野はこれが今季5得点目。リーグ戦では3試合ぶりだが、ホームに限ると3試合連続ゴールとなった。

 群馬は失点後、1トップのFWカン・スイルに当てて2シャドーが飛び込む形から徐々にチャンスを創出。しかし、前半27分にMF山岸祐也がMF鈴木崇文と負傷交代するアクシデントもあり、波に乗り切れない。

 対する山形は前半途中からハイプレスを自重し、群馬にボールを持たせる戦い方に移行。前3人がコースを限定しながら、相手がハーフウェーラインを越えたタイミングでMF本田拓也や中村を中心に囲い込み、カウンターから効率よく攻め込んだ。

 前半43分には瀬川の左CKにファーのDF菅沼駿哉がヘッドで合わせると、パクの手に当たってPKを獲得する。キッカーを任された阪野は右足でゴール左を狙ったが、GK清水慶記に読まれ、突き放す絶好のチャンスを逃した。

 1-0で前半を折り返した山形は後半も主導権を掌握。後半10分、DF高木利弥がMF汰木康也とのパス交換からPA内左に切れ込み、左足で鋭いシュートを打つが、ゴール右へ外れる。同20分にはMF山田拓巳が右サイドの高い位置から右足でクロスを送り、ファーから飛び込んだ瀬川がドンピシャのヘディングシュート。だが、わずかにクロスバーを越えた。

 後半25分に山形が阪野とFW中山仁斗を交代すると、1点を追う群馬も同27分にFW岡田翔平を下げ、FW石田雅俊を投入。同35分には今季8得点の群馬FW高井和馬が細かいタッチで中央を破り、PA内で右足を振り抜くが、渾身のシュートはGK児玉剛のファインセーブに遭った。

 さらに群馬は後半38分にMF阿部巧との交代で、攻撃の切り札であるMF小林竜樹をピッチへ。しかし、逃げ切りを図る山形も汰木を下げ、ボールハンターのMF松岡亮輔を送り出す。後半アディショナルタイムには古巣戦の中村に代えてFW永藤歩を投入。快足FWを相手の反撃の抑止力とし、そのまま1-0で逃げ切った。

 山形は2試合ぶりの白星で8戦負けなし(4勝4分)。敗れた群馬は約1か月ぶりの連敗を喫し、降格圏内の21位に転落した。


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