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試合2日前で別調整…山口蛍が悲壮な覚悟「できるだけの準備を」

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シリア戦後初めてグラウンドに姿を見せたMF山口蛍

 試合2日前でも全体練習合流には至らなかった。7日のシリア戦(1-1)で右すねを打撲した日本代表MF山口蛍(C大阪)は前日10日まで宿舎で調整。この日はシリア戦後初めてグラウンドに姿を見せたが、報道陣に公開された冒頭部分はチームとは別メニューで、ランニングなど軽めの調整にとどまった。

 テヘラン入り後、初めてピッチで調整した山口。高温、乾燥、高地という悪条件に「最初はちょっと乾燥している感じがして、きついと思ったけど、すぐに慣れると思う。暑さは大丈夫。(気になるのは)息切れするようなところぐらい」と話した。

 前日までは「治療がメインだった」と明かす山口は「バイクとか、できることはやっていた」と言うが、2日後に迫ったW杯アジア最終予選・イラク戦に向けて不安は拭い去れない。

 報道陣から現時点のコンディションを聞かれ、「どうやろ」と思案顔。「でも、順調には来ているので。あとは監督がどういう判断をするか。多少の痛みを抱えている選手は他にもいる。できるだけの準備をして挑みたい」と、自分に言い聞かせるように話した。

 シリア戦では「前半5、6分で痛めて、そこから全然動けなかった」と、思うようなプレーができなかった。チームとしても「守備のハメ方が少し難しかった」と、自身がアンカーに入る4-3-3のシステムに戸惑いも感じていた。

「(中盤を)3枚でやる練習がちょっと少なかったので、いきなり本番でというのは難しいところがあった。相手(シリア)も中盤が似たような形で、相手のほうが慣れていた。自分たちに対して、いい形で攻めていたし、相手の3枚のやり方をこっちが参考にできる部分もある」

 昨年10月6日にホームで行われたイラク戦は1-1の後半アディショナルタイムに山口が劇的な決勝点を決め、からくも2-1で競り勝った。「すごくアグレッシブに来ると思うし、相手のホームとまでは言わないけど、相手のほうがいろいろ有利だと思う」。中立地とはいえ、隣国のイランでの一戦を前に、「そうやって強く来るところに対して、それに負けないぐらい強くいかないと簡単にやられると思う」と表情を引き締めた。

(取材・文 西山紘平)

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