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「攻撃力はめっちゃ自信あります」埼玉栄が6発快勝!雪辱戦へ一歩前進:埼玉

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後半30分、埼玉栄高はMF福島健太(8番)がこの日2点目となるゴール

[6.11全国高校総体埼玉県予選決勝2回戦 飯能南高 0-6 埼玉栄高 浦和南高G]

 平成29年度全国高校総体「はばたけ世界へ 南東北総体2017」サッカー競技(7月開幕、宮城)への出場2枠を懸けた埼玉県予選は11日に2回戦を行い、埼玉栄高が飯能南高に6-0で快勝。埼玉栄は17日の3回戦で川口東高と戦う。

 快勝発進した埼玉栄だが、稲垣忠司監督は厳しい言葉を口にしていた。「まだ、鍛えないといけない」。埼玉栄は前半8分にFW春原尊(2年)からのパスを受けたMF福島健太(3年)が先制ゴール。だが、早い時間帯で先制点を取ってしまったことによって必要以上の余裕が生まれてしまったか、ボールを握ってゲームをコントロールしているものの、攻撃が停滞してしまう。「余計なパスミスが出てしまっていました。これくらいでいい、となってしまっていましたね」(稲垣監督)。

 28分には10番MF石橋彪(3年)がDF2人の間を突破し、そのままPAまで持ち込んで左足でゴール。会心のゴールで2点目を奪ったが、その後もボールを支配しているものの、淡白な攻撃で攻めきることができず、飯能南を突き放すことができなかった。

 飯能南は埼玉栄が最も警戒していた左FW小林希実也(3年)がダイナミックな仕掛けをしていたほか、中盤中央ではMFタンガニカ・グロディ(3年)が球際の強さを発揮。カウンターなどからチャンスも作り出した。

 後半1分には右クロスに小林が飛び込み、8分には右SB榎田海斗(3年)の攻撃参加からMF松岡洸(3年)の右足シュートがゴールを捉える。これは埼玉栄GK高橋将(3年)の好守に阻まれてしまったが、好守から得点を予感させるような攻撃を見せていた。

 だが、ポゼッションからいずれもスピードのある春岡と左MF塚目海渡(3年)、そして1トップのFW新井亮士郎(3年)を活かした攻撃を見せる埼玉栄は12分、右SB松山湧紀(3年)がDFラインのギャップを突くスルーパス。これに反応した春原が右足でゴールを破った。

 埼玉栄はさらに19分にもMF千島嵩也(3年)とのワンツーでPAまで攻め上がった松山が右足シュートを決めて4-0。松山は「前半、あまり自分たち上手くいかなくて、イラつく場面もあったんですけど、『中盤を上手く使ったら剥がれる』と監督が言ってくれたことがハマって、後半はサイドを上手く使うことができました」。守りを攻略された飯能南も小林やタンガニカのミドルシュートなどで反撃したが、得点を奪うことができない。逆に埼玉栄は終盤にも福島のヘディングシュートと石橋のコントロールショットで加点。6-0で快勝した。

 稲垣監督は高い評価を口にしないものの、石橋が「攻撃力はめっちゃ自信あります」と語るように、今年も埼玉栄には伝統の攻撃力がある。加えてこの日は、身体を張った守りが特長のCB渡邉宰主将(3年)中心に無失点で切り抜けた。関東大会予選で優勝候補の一角、西武台高を撃破しているチームが守備の安定と「上とやる時に一つのチャンスを決められるか」(稲垣監督)という部分で結果を残せば、上位進出、08年以来となる全国出場の可能性もある。

 選手たちにはリベンジしたい相手がいる。それは昨年度全国4強の昌平高だ。今年の埼玉県1部リーグの開幕戦では0-8で完敗。圧倒され、メンタル的にも飲み込まれる悔しい敗戦だったという。だが、石橋が「意識が変わりました。切り替えの速さだったり、ゴールへの意識だったり、みんな持てるようになった」と語るチームは変わったことを示す意気込み。ともに勝ち上がれば準々決勝で再戦することができる。雪辱するためにも、目標の全国出場を果たすためにも、負けるわけにはいかない。

(取材・文 吉田太郎)
●【特設】高校総体2017

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