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“キャプテン”の自覚強める麻也、長谷部からの連絡は「ビックリするぐらい何もない」

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試合会場のPASスタジアムで調整するDF吉田麻也

 チームの緊急事態だからこそ、“キャプテン”の責務は重大だ。日本代表DF吉田麻也(サウサンプトン)は試合会場となるテヘランのPASスタジアムで公式練習を終え、「所々でバウンドが変わったり、柔らかい部分、硬い部分がある。イレギュラーを想定してプレーしないといけない」と、ピッチコンディションに言及した。

 現地時間午後4時55分キックオフの試合は酷暑との闘いにもなる。気温はこの日も35度を超え、乾燥、標高を加えた“三重苦”が選手を心身ともにむしばんだ。「暑さも相当あるし、乾燥もある。喉の渇きは多くなると思う」と指摘する吉田は「暑さから来る集中の欠如や、判断のミスも起こり得る。そこを想定して、カバーしながらやらないといけない」と、アクシデントも覚悟したうえで試合に入るつもりだ。

 公式練習の前に行われた記者会見ではハリルホジッチ監督が「我々の難しさは特に中盤にある」と、MF陣に故障者が続出する現状を嘆く一幕もあった。MF長谷部誠、MF香川真司が負傷離脱中で、MF山口蛍はこの日、ようやく全体練習に合流した。MF今野泰幸も長期離脱から復帰したばかりで、コンディションは万全ではない。

 そもそもMF清武弘嗣やDF森重真人ら経験ある選手が招集外となった今回の選考。吉田は7日のシリア戦(1-1)で初めてDF昌子源とコンビを組み、チームとしても不慣れな4-3-3のアンカーシステムがうまく機能しなかった。「今までにないぐらい若いメンバーを招集している。ケガ人も出て、今までのメンバーがあまり試合に出ていない状況もある」と吉田は認める。

 中盤で山口が欠場となれば、アンカーの位置にはA代表初先発となる20歳のMF井手口陽介が入る見通し。「僕自身がリードしないといけない。審判や環境も踏まえて、賢くプレーしないといけない」。長谷部が離脱した3月に続いてゲームキャプテンを務める28歳のセンターバックは、イラク戦に向けて長谷部から何かメッセージは届いたかと聞かれ、「ビックリするぐらい何もないです」と苦笑いを浮かべ、バスに乗り込んだ。

(取材・文 西山紘平)

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