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灼熱のテヘランで死闘に…ハリルJはイラクとドローも首位キープでW杯出場王手

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後半27分に追いつかれ、試合は1-1の引き分けに終わった

[6.13 W杯アジア最終予選 日本1-1イラク テヘラン]

 W杯アジア最終予選は13日、第8節を行い、B組の日本代表は中立地イラン・テヘランのPASスタジアムでイラク代表と対戦し、1-1で引き分けた。前半8分にFW大迫勇也のゴールで先制したが、後半27分に追いつかれた。1-1の引き分けで勝ち点1を積み上げるにとどまった日本だが、5勝2分1敗の勝ち点17で首位をキープ。3位以内も確定し、次戦8月31日のオーストラリア戦(埼玉)に勝てば、最終節を残して6大会連続のW杯出場が決まる。

 日本は7日のシリア戦(1-1)から先発3人を変更。システムも4-2-3-1に戻し、A代表初先発のMF井手口陽介と、15年11月17日のW杯アジア2次予選・カンボジア戦(2-0)以来の先発となったMF遠藤航がダブルボランチを組んだ。1トップは大迫。2列目は右に5試合ぶりの先発となったFW本田圭佑が入り、FW久保裕也が左、FW原口元気がトップ下にそれぞれポジションを移した。この日、31歳のバースデーを迎えた本田がゲームキャプテンを務めた。[スタメン&布陣はコチラ]

 前半8分、PA内で大迫が粘ってこぼれ球を角度のない位置から原口がシュート。これはGKに弾かれたが、このプレーで右CKを獲得すると、本田のインスイングのキックにニアの大迫がバックヘッド気味に合わせ、ゴール左隅に流し込んだ。

 大迫は昨年11月11日のオマーン戦(4-0)以来、5試合ぶりの得点で最終予選は初ゴール。立ち上がりのセットプレーを生かして幸先よく先制した。しかし、その後は攻撃が停滞。ピッチコンディションの影響でバウンドがイレギュラーするなどパス回しがスムーズにいかず、イラクにボールを持たれる時間が続いた。

 イラクは前半18分、DFアリ・アドナンがオーバーラップからクロス。逆サイドのFWアラー・アブドゥルゼフラがDF長友佑都に競り勝って頭で落とし、MFマフディ・カミルがヘディングシュートを狙ったが、クロスバーを越えた。同20分にはMFアハメド・ヤシーンの右クロスにFWモハナド・アブドゥルラヒームが頭で合わせるが、ゴール左へ。イラクも最後の精度を欠き、日本の1点リードで試合は進んだ。

 キックオフ時点で気温37度という猛暑の中、前半32分に給水タイム。このタイミングでハリルホジッチ監督は本田、DF酒井宏樹という右サイドのコンビを中心に選手を集め、身振り手振りをまじえて激しく指示を出した。しかし、その後も試合の流れは変わらず、先制後、シュートを打てないまま前半の45分間を終えた。

 後半12分に日本をアクシデントが襲う。井手口が相手との接触プレーで後頭部を強打。ピッチにうずくまると、プレーが切れた時点でそのままスタッフに付き添われ、ロッカールームへ引き上げた。後半17分、代わってMF今野泰幸が入り、遠藤とダブルボランチを組んだ。

 消耗戦となった試合は日本の選手の運動量も上がらず、我慢の時間が続いた。後半25分、2人目の交代枠で原口に代えてMF倉田秋を投入。直後の26分には久保が右足をつる場面もあった。すると後半27分、イラクはアブドゥルゼフラが強引なドリブル突破でPA内に進入。ゴール前にこぼれたボールをDF吉田麻也がGK川島永嗣に任せようとしたが、川島がボールを抑え切れず、こぼれ球をカミルに蹴り込まれた。

 1-1の同点に追いつかれると、失点シーンの前から右足を引きずっていた酒井宏が右膝をおさえてピッチに倒れ込む。そのまま担架で運び出され、同32分にDF酒井高徳と交代した。2人目のアクシデントで交代枠を使い切った日本。イラクの選手も次々と足をつるなど、灼熱のテヘランでまさに死闘となった。両チームの選手が死力を尽くし、互いに最後まで勝ち越しゴールを目指したが、試合はそのまま1-1でタイムアップ。勝ち点1を分け合った。

(取材・文 西山紘平)

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