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天皇杯・仙台戦へ「楽しみ」と口揃える筑波大、FW中野誠也は先輩との対戦を心待ちに

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スタンドの仲間を前に笑顔をみせるFW中野(手前)

[6.18 第91回関東大学1部L第10節 明治大0-2筑波大 味フィ西]

 「楽しみです」と皆が口を揃えた。筑波大は今月21日に行われる天皇杯2回戦でベガルタ仙台と対戦する。Jクラブへの挑戦。意気込みを語る選手たち全員が笑顔をみせ、大一番を待ちきれないといった表情をみせた。

 筑波大は関東大学1部リーグ前期を首位で折り返すことを確定させており、現在は4連勝中。今季はわずか1敗でここ6試合は負けなし(4勝2分)と好調ぶりを維持して仙台へ乗り込む。明治大戦からわずか中2日で迎えるため、小井土正亮監督は「疲労がある試合になったので、上手く見極めながら戦いたい」とコメントした。

 磐田内定FW中野誠也(4年=磐田U-18)を1トップに置き、トップ下にMF戸嶋祥郎(4年=市立浦和高)が入る4-2-3-1が不動のシステムだったが、5月から6月へかけては中野や戸嶋らが3週間の教育実習へいっていたこともあり、直近2試合はFW北川柊斗(4年=名古屋U18)と中野が縦関係となる4-4-2システムを採用している。連戦のなか、仙台に対してどのような形で挑むか。“分析家”である指揮官の采配にも注目の一戦だ。

 J1クラブとの戦いへ。MF鈴木徳真(3年=前橋育英高)は「やるだけです」ときっぱり。「相手を立てすぎず、Jクラブだからという気持ちではなく社会人チームとやるという、いつも通りの感じで臨みたい。(個人として)運動量と球際ではJ1では負けないと示したいですし、自分の攻撃的な部分、パスの部分やシュートの部分を見せていきたい」と誓う。

 主将の北川も「Jクラブと当たるのは天皇杯しかないので、勝ちたいです。隙はあると思うので、もし相手がなめてかかってきたら最初を突いて、あっと言わせたい」と意気込んだ。

 来季からJの舞台で戦う中野にとっては、自分自身の力を試す絶好の機会になる。「本当に楽しみです。いい準備をするだけですし、筑波の強さをみせるのもそうですが、自分たちが勝つことで大学サッカーが注目されることもあると思う。大学サッカーの発展のためにも、自分たちが結果を残すことが大事」と静かに話す。

 また中野にとっては、特別な存在が仙台にいる。1年生次に最上級生だったMF中野嘉大だ。筑波大を巣立ち、Jの舞台で戦う先輩との再会を喜ぶ中野誠は「マッチアップはしないと思いますけど、自分が1年生のときに結果を出せたのは、本当に嘉大さんのおかげだと思う。自分が大学サッカーで成長できたのは嘉大さんがいたからこそ。最初にいいパスをくれた方なので、本当に成長した姿を見せないといけない。嘉大さんは嘉大さんでワンランクもツーランクも上へいっていると思うので、同じピッチに立てることが嬉しいです」と声を弾ませた。

 昨冬の全日本大学選手権(インカレ)を制して大学日本一となり、今季の関東大学リーグでも首位をひた走る筑波大。仙台との一戦で正真正銘のジャイアントキリングを起こせるか。

(取材・文 片岡涼)
●第91回関東大学1部L特集

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