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堂安律はオランダで成功できるのか?現地記者が証言する熾烈な競争と飛躍へのカギ

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フローニンゲンへ期限付き移籍するMF堂安律

 ガンバ大阪のMF堂安律が23日、オランダのフローニンゲンへ期限付き移籍することが決定した。

 ガンバ大阪ユース出身で現在19歳の堂安は、2015年6月3日にクラブ史上最年少となる16歳11か月18日でJ1デビュー。今季はここまで9試合に出場して、3ゴールを記録していた。さらに、U-20W杯でもイタリア戦でスーパーゴールを挙げるなど世界に「DOAN」の名前を知らしめている。

 日本サッカー界にとって次世代のエースとして期待されるホープは初の海外挑戦で成功をつかむことができるのか? オランダで飛躍を遂げるために必要なこととは? 『Goal』では現地オランダで記者を務めるマーティン・スロット氏に話を聞いた。

■フローニンゲンの状況は?

 堂安が移籍するフローニンゲンは2016-17シーズンを8位で終えた。スロット氏は「厳しい時を過ごした」と語る。チームは来シーズンの欧州カップ戦出場権を懸け、レギュラーシーズン終了後にプレーオフを戦ったが、ファーストラウンドのAZ戦で2試合合計2-8と完敗を喫してしまっていた。

 一方で、スロット氏はフローニンゲンの攻撃力の高さを評価している。

「フローニンゲンより多くのゴールを挙げたのは4チームだけだ。ミモウン・マヒとブライアン・リンセンはチームの最高のアタッカーだった。マヒは今夏の移籍が予想されているくらいだよ」

■待つのは熾烈なポジション争い

 強力な攻撃陣を持つフローニンゲンで堂安が生き抜くためにはどうすればいいのだろうか。4-3-3でプレーするフローニンゲンにおいて、堂安のライバルとなる選手は「ジュニーニョ・バクーナとイェスパー・ドロスト」だという。

「バクーナはクラブのユース出身の選手で、まだ19歳だ。しかし、すでに54試合に出場していて、経験は十分。フローニンゲンはクラブの中心選手として育てていきたいと考えているはずだ」

「ドロストは昨シーズン、スタメンの座を失った。才能ある選手だが、新シーズンは彼にとって最後のチャンスとなるだろう」

 最前線である右ウィンガーでプレーする場合、「昨シーズン、ブレイクを果たしたウサマ・イドリッシがライバルになるだろう」と、ポジション争いが熾烈であるとスロット氏は指摘する。

 もっとも、必ずチャンスが来るだろうとスロット氏は続ける。

「フローニンゲンは彼のために多くのサポートをして、オランダのことを理解させるだろう。良いトレーニングをしていれば、当然試合でも成功のためのチャンスを与えるはずだ。若いタレントはオランダサッカーで多くのチャンスをつかんできたしね」

■成功のためのカギと注意点とは?

 最後に堂安がオランダで成功をつかむためのポイントについて、このように語った。

「オランダの生活とサッカー哲学に適応することがカギになると思う。フローニンゲンは外国人にとって住みやすい町だ。豊かな文化があり、人々もとても良い。ただ、学生も多く、夜遊びには注意だね」

 エールディビジはプレミアリーグやリーガ・エスパニョーラといった主要リーグへの移籍を目論む若手選手が数多くいることで知られている。日本でも、欧州5大リーグへの移籍を目指す上で「最初の一歩」として選択されることが多い。過去にはDF吉田麻也やMF本田圭佑らが成功をつかみ、ステップアップを遂げていった。

 果たして堂安はオランダで結果を残し、偉大な先輩たちに続くことができるのか? 挑戦の始まりが待たれるところだ。

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