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怪我乗り越えて戻ってきた「背番号18のエース」。FW高橋が浦和西を全国導く決勝PK

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浦和西高は背番号18のエース、FW高橋岬生が決勝ゴール

[6.24全国高校総体埼玉県予選準決勝 浦和西高 1-0 西武台高 埼玉スタジアム第3G]

 背番号18のエースが決勝点を決めて浦和西高を全国へ導いた。0-0の後半4分、浦和西は得意のキックフェイントを交えたドリブルでPAへ持ち込んだFW高橋岬生(3年)が、DFに倒されてPKを獲得。祈るようにボールをセットした背番号18は、重圧のかかるPKを右足でゴール右隅へ流し込んだ。

「自分の持ち味はキックフェイントなので相手かわして打とうと思ったら引っ掛けられたので上手く自分の持ち味が出たという感じです。(PKは) キックの精度に自信があるんで。わざと左見て(GKに)そっち蹴るかなと思わせておいて右に蹴ったので決められると思いました」。ボールがゴールへ吸い込まれるのを確認した高橋はそのまま応援席まで駆け抜け、控え部員たちと喜びを爆発させた。

 昨年から主軸の高橋は、今年2月の県新人戦で背番号10を背負っていた。だが、3月から両太ももに痛み。我慢してプレーを続けていたが、4月に病院へ行くと診断は両太ももの疲労骨折。関東大会出場をかけた昌平高との準決勝は応援席でチームが敗れる姿を見るしか無かった。

「自分、怪我で応援席側にいて負けて凄く悔しかったので、ここで絶対に全国行きたいなと思って治療頑張って、そうしたら(市原雄心)監督が使ってくれたので感謝しています」。総体予選開幕直前に復帰した高橋は当初、試合終盤での起用。だが、彼の思いを汲んだ指揮官はこの日、「頭から行けるところまで」とスタートから送り出した。

「自分のところで収めないといけないのは分かっているので自分が収めてチームに攻撃の流れをもたらしたい」という高橋は決勝ゴールを決めたほか、前線でポイントになるなど健闘。18番で登録されている高橋だが、後半28分まで出場し、「エースのプレー」でチームの全国出場権獲得に貢献した。

 決勝の対戦相手は昨年の県1部リーグで2ゴールを決めている昌平高。強敵を倒して優勝を決め、すでに出場を決めている全国でも活躍することを誓う。「みんなとまた引き締め直して自分が点取って勝たせたい。来たボール絶対に収めて毎試合点取れる選手になりたい」。エースが全国でもゴールを決めて伝統校に白星をもたらす。

(取材・文 吉田太郎)
●【特設】高校総体2017

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