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[プリンスリーグ関東]U-17W杯まであと3か月。打開力増したFW宮代大聖は「世界を意識」して日々を過ごす

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川崎フロンターレU-18のU-17日本代表FW宮代大聖

[7.2 高円宮杯プリンスリーグ関東第7節 流通経済大柏高 1-2 川崎F U-18 流通経済大柏高G]

 エースとしてチームを引っ張る決意が、プレーから溢れ出ていた。川崎フロンターレU-18のU-17日本代表FW宮代大聖(2年)はこの日、同じくU-17日本代表の流通経済大柏高CB関川郁万(2年)と注目マッチアップ。世代屈指のDFにマークされながらもボールを要求し続け、ボールを収めてからのチャンスメークやDFを振り切って決定的なシュートを打ち込むなど存在感ある動きを見せ続けた。

「蹴ってくる相手というのは分かっていた。その中で跳ね返したセカンドボールやクリアボールを僕のところで収められれば全体のラインを押し上げられますし、そこで自分を起点に攻撃できればいいと思っていた」。特に前半は本人も納得のプレー。自分がシュートを打つ準備を常にしながら、縦パスが入った際にはしっかりとボールをキープし、DFを引きつけて右SB小川真輝(3年)へ決定的なラストパスを通すなど、最前線でチームを引っ張った。

 マークした関川が「行かれてばっかりでしたね」と悔しがっていたが、宮代本人は後半に運動量が落ちてしまったことを反省。カウンターから一人で持ち込んでシュートを放ったり、決定的な形でボールを引き出してシュートを放つシーンもあったが、決めることができなかった。

 また、「こういう凄い暑い中でもプレーを維持できる体力をもっとつけていかないと思います」と不満げ。チームは競り勝ったが、守備面含めてやれること、またチャンスもあっただけに「少ないチャンスでももっと決められるようにしていかないと今後は厳しいかなと思っています」と反省していた。

 中学時代からU-18チームで公式戦に出場していた逸材ストライカー。本人は「今年に入って個で打開する力は多少ついたかなと思います」と語っていたが、身体がより強くなり、力強くボールを運ぶようなシーンが増えている。

 川崎F U-18の今野章監督も「昨年よりもキレ、正確性が増した」こと、チームの牽引役となっていることを認める。クラブユース選手権関東予選でもチームを引っ張ってプレミアリーグ勢を3連破しての準優勝に貢献。プリンスリーグ関東でも首位争いの原動力となっている。だが、まだまだこれから。指揮官の「全てのスケールアップを」という期待に宮代は貪欲に取り組んで実現することを目指す。

 10月6日に開幕するU-17W杯開幕まであと3か月となった。宮代は「あと3か月の中で、僕だったらどれだけ最後の質を上げられるかというのがチームの勝利に貢献するために必要なことだと思うので、あと3か月間しかないですけど意識高くやっていきたい」と力を込める。

 U-17日本代表の中軸の一人と言える存在。世界一を目指し、世界で勝つために意識高く日々を過ごしているが、本人は最後まで危機感を持って代表入りへアピールすることを誓っている。「毎回危機感を持って次の合宿に選ばれるようにとやっているので、まずはU-17のワールドカップのメンバーに入ってから。そして、試合に出て、得点を決めて、チームを勝利に導けたら最高ですし、できれば優勝してみんなで喜びたいですし、3か月間みんなが一人ひとり意識高く持って、日々の練習も世界を意識しながらやっていって、最高の状態で臨めたらなと思います」と力を込めた。

 代表合宿や海外遠征を何度も経験しながら、自分自身の課題に取り組み、成長曲線を変える努力をしてきた。その積み重ねてきたことを今年、世界との真剣勝負の中で発揮するか。世界との戦いまで3か月。注目の2年生ストライカーは結果にこだわりながら、少しでも自分自身を高めて世界へ挑戦する。

(取材・文 吉田太郎)
●2017 プリンスリーグ関東

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