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[東京都1部L]インハイ東京代表2校がリーグ戦で激突!関東一が実践学園破り、全国へ弾み!

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関東一高FW池田健太(2年
左)と実践学園高DF尾前祥奈が競り合う

[7.20 高円宮杯東京1部リーグ 関東一高 2-0 実践学園高 駒沢2]

 20日、高円宮杯U-18サッカーリーグ2017東京1部リーグ(T1リーグ)第11節で関東一高実践学園高が対戦。ともに7月29日開幕のインターハイに出場する両校の戦いは、FW村井柊斗とFW重田快(ともに3年)のゴールによって2-0で関東一が勝った。関東一は6勝1分4敗で5位。一方の首位・実践学園はリーグ戦の連勝が9でストップし、9勝1分1敗となった。

「ここで勝ってインハイに行きたいというのは両チーム思っていたこと」。村井がそう説明していたが、全国大会開幕9日前の真剣勝負で弾みをつけたのは、今年の関東大会予選、インターハイ予選で優勝している関東一の方だった。

 前半、互いに良さを見せ合う展開となった。球際の攻防でボールを奪い切る部分の強さ、切り替え速い攻守、そしてスピーディーなパスワーク、仕掛けの応酬。その中で小野貴裕監督が「(前半は)場所を守るだけになっていた」という関東一に対し、長短のパスで中央、サイドから多彩な攻撃を見せる実践学園は、狭いスペースへ通すパスと突破力で存在感を放つFW前原龍磨(3年)が中心となり、運動量豊富な右MF石本耀介(3年)や左MF山内稔之(2年)が決定的なシュートや、クロスを放っていく。

 だが、関東一はPAで手堅い守備。危ないシーンはあったが、最後のところでシュートコースを消すなど決定打を打たせない。そして攻撃面ではボールを奪った勢いで前に出るMF長谷部竣(3年)のスルーパスや右足ミドル、重田のダイレクトでのラストパスにFW池田健太(2年)が決定的な形で走り込むなど、中央、サイドからの仕掛けで相手ゴールへ迫った。だが、実践学園のGK成田雄聖やDF尾前祥奈主将(ともに3年)の好守にあうなど、こちらも得点を奪うことができない。
 
 0-0で折り返したゲームは後半、「後半は前からやれるようになった」(小野監督)という関東一がボールを搾り取るようなディフェンス。守備からリズムを掴むと10分、実践学園の守備網に一瞬できた中央左サイドのスペースへ関東一MF篠崎源太(2年)が判断良いドリブルで切れ込む。そして斜めに入れたパスを右中間の重田が1タッチで落とすと、村井が右足ダイレクトシュートをゴール右隅へ決めた。

 指揮官が「久しぶりにウチのダイレの崩しが出た」と評したゴールで先制した関東一はさらに12分、左サイドでボールを奪った重田がDF2人の間を破って一気にPAへ。最後はGKを外して右足シュートを決め、2-0とした。

 実践学園は攻め急がず、正確にボールを繋ぎながら反撃。終盤はMF北條滉太(3年)らがセカンドボールを連続で拾ってシュートシーンに繋げるなど攻め込んだが、GK田中大輝(2年)の好セーブなどに関東一の堅い守りに阻まれ、最後まで1点を奪うことができなかった。

 3年連続でインターハイ出場の関東一は、大津高や広島皆実高、清水桜が丘高を破って4強入りした2年前の躍進再現が期待されるが、小野監督は守備の部分などを指摘し「まだまだです」と厳しかった。重田が「一個一個倒して行けば、最終的に良い結果になると思う」と語ったように、目の前の一試合一試合に集中していくことを誓う。

 一方、敗れた実践学園の尾前主将はスタンドの父母、控え部員たちへ向けて「(自分たちは)まだまだ全てにおいて自覚が足りないと思います」と挨拶した。全国上位を目指すからこそ、出ていた厳しい言葉。ともにこの日出た課題を改善して、関東一は山形中央高(山形)、実践学園は遠野高(岩手)との全国初戦に臨む。

(取材・文 吉田太郎)

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