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[NB CHAMPIONSHIP U-13]「個の部分で去年よりもインパクトを」。前回王者・FC LAVIDAがソレッソ熊本との好勝負を3-0勝利

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後半9分、FC LAVIDAはMF小熊流聖(14番)が先制ゴール

[7.22 NB CHAMPIONSHIP U-13予選リーグ FC LAVIDA 3-0 ソレッソ熊本 時之栖裾野E1]

 全国大会級のU-13大会、「newbalance CHAMPIONSHIP U-13/2017」が22日に静岡県の時之栖スポーツセンターで開幕した。街クラブ勢ながら、昨年の第1回大会でJアカデミーの強豪を次々と破って優勝したFC LAVIDA(埼玉)は、ソレッソ熊本(熊本)との好勝負を3-0で制して2連勝。Cブロック首位で予選リーグ1日目を終えた。

 無名の街クラブが超攻撃的な戦いでインパクト十分の優勝を果たしてから1年。村松明人監督が「LAVIDAの色を出しつつ、個の部分で去年よりもインパクトを出せるようにやっていますね」というFC LAVIDAが今年も快進撃を見せている。

 東海大菅生中との初戦を11-0で制すと、この第2試合でも立ち上がりからMF佐藤海空斗とMF石束朋大がサイドを突破して決定機を演出。一気に相手を飲み込むかと思われたが、ソレッソ熊本は真っ向勝負で対抗してみせる。

 1対1で強さを発揮していたCB加茂珠有斗や的確なインターセプトを見せたCB清水賢志郎らが、LAVIDAのMF荒井悠汰やFW武村圭悟、MF小谷旺嗣といった強力アタッカー陣に穴を開けられることがありながらも、最後まで身体を離さずに食らいついたり、上手くコースを切ってボールを奪い取ったりするなどゴールを許さない。

 そして奪った後に正確に1本のパスを繋ぐと、そこから注目MF坂井駿也やFW本田幸大がポイントとなり、テンポ良くボールを動かして攻め返した。そして、相手のミスに乗じて決定機を作り出す。13分、相手のミスパスをインターセプトした坂井がDFの背中を取って突破し、右足シュート。だが、これはLAVIDAのGK長谷川皓亮に止められ、20分に絶妙なファーストタッチでDFと入れ替わったMF山口慶祐の右足シュートも枠を外れてしまう。

 一方のLAVIDAも司令塔役を務めたMF山田詩太のパスから攻撃を仕掛けるが、武村のドリブルシュートがクロスバーを叩くなど先制のチャンスを活かすことができない。それでも中盤、前線の選手が立て続けにドリブルで仕掛けるLAVIDAの攻撃はボディーブローのように効いていた。

 ソレッソ熊本の柳瀬潤平監督が「守備が一生懸命なり過ぎて攻撃時に失ってしまう。(ボールを持った選手の)顔が下がってしまっていた」と振り返ったように、ソレッソ熊本は攻撃面でも随所に良さを見せていたが、相手の連続攻撃を受ける中で落ち着いて攻めることができなくなってしまう。

 逆にLAVIDAは後半9分、荒井がPAへ割って入って出した折り返しを交代出場のMF小熊流聖が1タッチでゴールへ押し込んで先制。ソレッソ熊本も12分にカウンターからチャンスをつくり、左クロスのこぼれ球をMF松岡響祈が頭でゴールを狙う。シュートはGK不在のゴールを捉えたが、LAVIDAの左SB津久井佳祐が頭でスーパークリア。ピンチを凌いだLAVIDAは18分、相手の連係ミスを突いた武村がインターセプトから右足シュートを決めて2-0とした。

 そして試合終了間際には荒井がDF2人の間を破り、最後はこぼれ球を拾った荒井のラストパスを交代出場のMF平嵩矢が決めて3-0で勝利した。LAVIDAは例年通りに個々の突破を磨き上げると同時に、受け手が鋭く動きながらボールを引き出す部分も強化するなど、より攻撃力が増すような取り組み。この日はその点が上手く噛み合わず、また技術力高いソレッソ熊本に苦戦したが、佐藤が「後半、コーチのアドバイスもあって落ち着いてプレーできるようになった。個人個人のできなかったところを指摘されて直していきました」と振り返ったように、修正を加えながら、強力攻撃陣が攻め続けて3ゴールをもぎ取った。

 目標は連覇。荒井は「今年もみんなで優勝して、来年入ってくる中1の子達もこの大会に来れるようにしたいです」。この後続くJアカデミー勢などとの戦いを制して今年も内容、結果でインパクトを残すか。高校サッカーの強豪、昌平高(埼玉)の系列組織に当たる新鋭街クラブ、LAVIDAの進撃がどこまで続くのか、注目だ。

(取材・文 吉田太郎)
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