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神出鬼没の清水ユースMF鈴木が2得点、プレミア東西上位対決は3-3のドロー

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清水エスパルスユースMF鈴木魁人は2得点の活躍を見せた

[7.23 日本クラブユース選手権(U-18)GS第1節 清水ユース 3-3 C大阪U-18 前橋総合]

 東西プレミア上位対決は、打ち合いの末に引き分けとなった。第41回日本クラブユースサッカー選手権(U-18)大会が23日に開幕し、前橋総合運動公園で行われた第1試合は、清水エスパルスユース(東海1)とセレッソ大阪U-18(関西4)が3-3で引き分けた。清水ユースは、高円宮杯U-18プレミアリーグEASTの首位。C大阪は、同WESTで無敗の2位。リーグ戦で好成績を出している両軍が、互いに力強さと粘り強さを見せた。

 先に勢いを見せたのは、C大阪U-18だった。立ち上がりの9分、右DF梅木絢都がミドルシュートを決めて先制。小雨が降り続く中、ボールが滑るピッチを生かした。さらに20分、1年生FW藤尾翔太がシュートブロックされたこぼれ球をMF有水亮がシュート。ポストの跳ね返りを「アリ君(有水)は絶対に打つと思ったし、ボールの弾道を見てポストに当たる可能性も予測はできていた」と話した藤尾が押し込んで追加点を奪った。

 しかし、C大阪U-18の村田一弘監督が「行く者と、行かない者が生まれて、プレスがバラバラになった」と話したとおり、反撃に出た相手の力強さを止められなくなった。清水ユースは、得意のショートパスサッカーでじわじわと好機を増やし、32分に左サイドのコンビネーションからMF鈴木魁人がゴール。40分には、鈴木がPKを獲得し、エースの平墳迅が決めて同点に追いついた。さらに鈴木のラストパスから平墳が逆転弾を狙ったが、C大阪U-18のGK光藤諒也は左足で防ぐ好守で難を逃れた。

 2-2で折り返した後半は、清水ユースが逆転に成功した。12分、左サイドを押し込むと、MF宮本優が相手と競り合いながらクロスを送り、鈴木が押し込んだ。2得点とPK獲得で絶妙な得点感覚を鈴木は、中盤から前線にスッと現れてフィニッシュに絡む様が神出鬼没だ。

 鈴木は「滝(裕太)とか(平墳)迅は、スター。2人がボールを持てば相手も多く付くので、近くにいれば脇役の自分にボールが転がって来る。2点目も触るだけ。豪快さはないけど、1点は1点。子どもの頃、IAIスタジアムで見た岡崎慎司選手(レスター。当時、清水に所属)のように、上手いというよりもがむしゃらにやることで自分を出せるタイプ。自分が走ることで、試合の流れを変えられるタイプだと思っている」と自身のプレーを見せられた手ごたえを話すとともに「昨年の(準優勝の)悔しい思いがある。もう一度決勝の舞台に立って、今度はカップを持ち帰りたい」とタイトル獲得に意欲を見せた。

 清水ユースは、その後も大きなサイドチェンジから平墳がチャンスを迎えるなど、チームの攻撃力が目立った。2点のリードから追う立場になったC大阪U-18は、3人の選手を代えて対抗。31分に左CKを奪うと、二次攻撃から途中出場のFW齋藤遼のクロスから生まれたこぼれ球をCB小林洵がミドルシュート。スリッピーな芝生を素早く走ったボールは、相手に当たってわずかにコースを変え、ネットを揺らした。終盤は、一進一退となったが、決勝点は生まれなかった。

 最後に追いついたC大阪U-18は、1年生3人が先発する中でEAST首位を相手に渡り合った。主将の荒木秀太は「プレーと声で引っ張ることを意識したし、1年生も付いて来てくれている。チームとして、3点目を取られた後、4点目を取られていたら完全に崩れたと思うけど、粘り強く、焦れずに3点目を狙えたことは良かった。相手は、WESTで味わえないレベルだった。前に収めてからの速い攻撃で押される展開が最後に増えてしまった。2点差にした後、プレスがハッキリしなかった点も改善点になる」と内容の濃いゲームから得た収穫を話した。

 冬の高円宮杯U-18チャンピオンシップでの再戦も期待される両チームは、横浜FMユース、千葉U-18と同じA組から、まずはグループリーグ突破を狙う。

(取材・文 平野貴也)
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