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[NB CHAMPIONSHIP U-13]鹿島アントラーズつくばがアントラーズ決戦制し、参加25チームの頂点に!

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鹿島アントラーズつくばジュニアユースがライバル対決を制して初優勝!

[7.24 NB CHAMPIONSHIP U-13決勝 鹿島つくばJY 2-1 鹿島JY 時之栖裾野E1]

 Jアカデミー、中体連、街クラブの強豪25チームが優勝を争った全国大会級のU-13大会、「newbalance CHAMPIONSHIP U-13/2017」は24日、決勝戦を行い、鹿島アントラーズつくばジュニアユース鹿島アントラーズジュニアユース(ともに茨城)が対戦。MF佐藤雄とFW太田凱翔のゴールによって2-1で鹿島つくばJYが勝ち、初優勝を飾った。なお、大会MVPには鹿島つくばJYのMF下田栄祐が選出されている。

 絶対に負けられない戦いだった。MF佐藤は「アントラーズ同士なので鹿島には絶対に負けたくないと思っていました」と語り、FW太田も「相手が鹿島アントラーズという自分たちと同じ名前を持つチームだったので、決勝に入る前からチームの勝利へ向けて一つになることができたと思います」と振り返る。

 決勝戦の約2時間前に準決勝を終えたばかりだった鹿島つくばJYに対し、鹿島JYは決勝戦がこの日1試合目。体力面で不利な部分があったが、アントラーズ勢対決勝利という目標へ向かった一丸となっていた鹿島つくばJYに疲れは関係なかった。メンバーを固定せずに準決勝から先発4人を入れ替えて全員で優勝にチャレンジ。エネルギッシュに走り回った鹿島つくばJYが、気迫十分の立ち上がりで相手を押し込み、先制パンチを見舞った。
 
 前半5分、鹿島つくばJYはCB鈴木千夏が前線へ入れたボールをゴールを背にした太田が頭で後方の佐藤へと落とす。ボールを受けた佐藤は左右への揺さぶりでDFを1人、2人とかわして左足シュート。華麗な一撃で先制点を奪った。

 MF武沢健伸と下田のダブルボランチが攻守で存在感を放つ鹿島つくばJYは攻守に出足が良く、主導権を離さない。そして、佐藤のアイディアある仕掛けや太田の抜け出しなどから2点目を狙った。

 対する鹿島JYは9分に左FKからフリーで抜け出したMF塙仁成が決定的なヘディングシュート。また17分にはセットプレーの流れから縦に仕掛けたCB小林康人がDF2人を振り切って折り返したボールをFW大山和音が左足ダイレクトで狙ったが、いずれも枠を外してしまう。

 決定機を逸した相手を鹿島つくばJYが突き放す。21分、下田が中央から左サイドへ展開。そしてMF大塚清瑚が左足でクロスを入れると、ファーサイドで身体を張って競り勝ったFW横塚翼が折り返す。そして、このボールを受けた太田が切り返しから左足シュートを決めてリードを広げた。

 前半を0-2で折り返すことになった鹿島JYの坂井涼コーチは「相手の方が気持ちが入っていた。やられて火が着いた部分があった」と残念がっていた。もちろん勝つ、という強い気持ちを持って決戦に臨んでいたが、勢いのあった相手の後手を踏む形に。対して鹿島つくばJYは後半開始から4人を入れ替えて、また前に出る。

 鹿島つくばJYは下田がワンツーからシュートへ持ち込んだり、右SB千葉颯斗の攻撃参加、武沢の左足ミドルなどで3点目にチャレンジ。前半同様に競り合いで身体を張り続けて、無失点のまま試合を進めた。なかなかシュート数を増やすことができなかった鹿島JYも、18分にMF堀江健太の右FKをファーサイドの小林が折り返し、中央の大山が追撃ゴール。1点差とした鹿島JYは攻撃にパワーをかけて一気に同点を目指した。

 だが、鹿島つくばJYは気迫の守り。鹿島勢対決でも「アントラーズスピリットをやるということ。それは、どの試合もずっと言ってきている」(鳴海勝也監督)という部分を出し続けて相手に飲み込まれない。逆に前がかりになった相手の背後を突いて決定機を作るなど攻め返していた鹿島つくばJYが、ライバル対決を制して初優勝を果たした。

 鳴海監督は自分たちで判断する部分、相手の状況を見て、動いて、ボールを受ける部分などが少しずつながらも成長してきていることを認める。そして、目の前の試合を全力で勝ち続け、強豪集まる大会でタイトルを獲得したことは価値のあること。だが、彼らのゴールはずっと先になる。

 それだけに、鳴海監督は「将来プロになるために、今できることを精一杯やらないといけない」。プロになる、世界で活躍する、ワールドカップで優勝するという目標を持つ選手たちがそのためにピッチ内、ピッチ外で何をやらなければならないのか、まず、自分たち自身で気づくことが大切。参加25チームの頂点に立った鹿島つくばJYの選手たちは今回の優勝を良い意味での自信としつつ、ライバルたち以上に成長することに貪欲に取り組んで将来、それぞれの目標を達成する。
 
(取材・文 吉田太郎)
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