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世界を知る男からの“金言”…千葉加入内定の市船DF杉山弾斗がドイツ代表DFと夢対談

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DF杉山弾斗とDFアントニオ・リュディガー

 高校世代屈指の左左サイドバックで来季のジェフユナイテッド千葉加入が内定している市立船橋高(千葉)のDF杉山弾斗(3年)が、コンフェデレーション杯優勝の立役者となったドイツ代表DFアントニオ・リュディガー(チェルシー)と対談し、金言を授かった。

 契約するナイキ社との仕事で来日したリュディガーは今月15日、市立船橋高の練習を電撃訪問。190cmの長身を誇り、対人戦に優れたセンターバックはサイドバックもこなし、世界トップレベルの舞台で活躍している。今オフにローマからチェルシーへ移籍を果たし、さらなるステップアップへ踏み出した24歳は、杉山にとって目指すべき道を歩んでいる憧れの存在でもある。夢の対談では、世界を知る男からアドバイスを得ようと、自らさまざまな質問を投げかけた。

杉山 コンフェデレーションズ杯の優勝、おめでとうございます。来季は、チェルシーでプレーするんですよね? アザール選手のプレーが好きで、チェルシーの試合はよく見ています。プレミアリーグで優勝したチームでプレーされるなんて、すごいですね。

リュディガー ありがとう。チェルシーのようなビッグクラブに行けることは、すごくうれしく思っているよ。何年もずっと頑張ってきたから、このチャンスが得られたんだと思う。君もプロ入りが決まったんだよね? おめでとう。頑張ってね。

杉山 ありがとうございます。ユース年代でプレーして、年代別代表でもプレーさせてもらうことができて、来年からはプロの道に進むことになるのですが、プロの世界で勝ち残っていくためには、何が必要ですか?

リュディガー 才能はもちろん必要だけど、常に自分で成長を続ける努力が必要だ。努力と強い意志。それが何よりも大切。18歳だよね? 自分が同じ年齢の頃のことは、よく覚えている。私も18歳でアンダーカテゴリーの代表に初めて入ったんだ。初めて代表のユニフォームを着たときは、本当にうれしかったね。ただ、他の選手と比べて突出した才能はなかった。それでも、だれよりもやる気があったし、だれよりも頑張ったよ。

 サッカーを続けていくと、難しい時期もやってくる。自分が努力するだけでは避けられないことも起こる。私は1年前、欧州選手権の直前に前十字靱帯を断裂してしまった。大事な大会を前にしていただけに、とても痛かったし、悲しかった。でも、家族が助けてくれて、比較的早く復帰することができた。プロの世界でやっていくためのアドバイスを送るとしたら、自分に正直でなければならないということだ。プロになって、調子が良いときは「お前は、最高だ」と言ってくれる人が増えていく。でも、正直なことを言ってくれる人も大事だ。自分に正直で、いつも前を向いて頑張ることだね。

杉山 リュディガー選手は、コンフェデレーションズ杯で優勝されましたけど、勝負に勝つために最も大事にしていることは何ですか? 僕はこれから全国大会で頑張ろうと思っています。

リュディガー メンタルだね。例えば、ビッグゲームに0-2で負ければ、何か間違えたところがあったのかなと悲しくなるし、気持ちが落ち込む。でも、だれもが勝ちたいと思っているのだから、何としても絶対に勝つという気持ちを持ち続けなければいけないよね。それを失ったら、勝てるかもしれない試合も勝てなくなってしまう。チェルシーは昨季、プレミアリーグで優勝したけど、それも苦しい時期を含めて勝とうと思い続けたからだと思う。あとは、勝ったときの気持ちを忘れないことだ。この前、コンフェデレーションズ杯で優勝したけど、やっぱりすごくうれしかった。だから、ああいう気持ちを絶対にもう一度味わいたいと思っているよ。チャンピオンになるというのは、やっぱり格別だからね。

杉山 プレー面についても質問をしていいですか? コンフェデレーションズ杯のプレーもそうでしたけど、プレー集の動画を見ても、本当にヘディングが強いですよね。僕はあまり得意ではないのですが……。

リュディガー 私はセンターバックだからね。やらないというわけにはいかないよ。でも、ヘディングの強さも努力によるものだよ。高さよりもタイミングが大事なプレーだ。個人練習で上達できるものだよ。

杉山 僕は攻撃が得意なサイドバックなのですが、守備があまり得意ではありません。リュディガー選手の守備はすごいので、何かアドバイスをもらえませんか?

リュディガー 私はセンターバックだけど、サイドバックでプレーすることもあるよ。守備は経験が必要だ。高いレベルの試合を何試合も経験することで学ぶことがある。コーチたちもいろいろと教えてくれるはずだ。ただ、何を学んだり経験したりするにしても「自分は絶対できる」と100%の気持ちで信じてトレーニングすることを忘れてはいけないよ。

―最後に、お互いへのメッセージをいただけますか?
リュディガー 世界は、明日、何が起こるか分からない。だから、とにかく元気でいることがまず一番大事だ。それから自分で自分を成長させること。ダントが将来、日本代表でプレーすることを願っているよ。まだ先の話かもしれないけど、その目標にフォーカスして、取り組み続けてほしいね。

杉山 頑張ります。僕は、チェルシーが好きで、試合をよく見ています。来季はリュディガー選手のプレーを見る機会も多くなると思うので、すごく楽しみです。

<―いつか2人が同じピッチでプレーする日が来るでしょうか?
リュディガー いつでもいいよ。私は準備ができている(笑)。ダントはこれから頑張って、私よりも上手くなってね。

杉山 ありがとうございます。頑張ります。

(緊張した面持ちで対談を終えた杉山に感想を聞いた)

杉山 リュディガー選手を最初に知ったのは、実はゲームです(笑)。ヘディングの強いキャラクターで印象に残っていました。それで実際のプレーの映像を見たんですけど、とにかくすごい。話してみても、やっぱりすごい人でした。オーラが違いますね。昨日、グラウンドに来るらしいと聞いたんですけど、まさか対談させてもらえるとは思っていませんでした。いくつかプレーのヒントを得られたら良いなと思って質問しましたけど、やっぱりプレーのコツは自分で得なければいけないものなので、言葉だけで知るのは難しいですね。でも、世界のトッププレイヤーが努力と向上心を積み重ねてきたということを繰り返し強調していたので、本当に信じてやり続けることが大事なんだなと思いました。僕らでは到底、比べ物にならないくらいの努力をやり続けているんだと思うし、やってきたんだという自信を持っているんだなと感じました。とても刺激になりました。これからまた頑張ろうと思います。

(提供 NIKE FOOTBALL)

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