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今年は「絶対に勝てる」「勝たせる」。長崎総科大附のU-19代表FW安藤が重圧も力にゴール、日本一目指す

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今大会最注目の長崎総合科学大附高FW安藤瑞季(左)とMF田中純平主将(写真協力=高校サッカー年鑑)

 夏の高校サッカー日本一を争う、平成29年度全国高校総体 「はばたけ世界へ 南東北総体2017」サッカー競技(宮城)の開会式が28日、宮城県宮城郡松島町の松島町文化観光交流館で開催された。参加55校の代表選手たちが出席。前回大会優勝の市立船橋高(千葉2)から返還された優勝旗獲得を目指して、各都道府県の代表校が29日の1回戦から熱戦を繰り広げる。

 真夏の連戦へ向けた体調面を考慮してか、多くの高校は主力組ではなく、サブ組の選手が各校2名の開会式に参加していた。その中で、長崎総合科学大附高(長崎)はMF田中純平主将とU-19日本代表FW安藤瑞季(ともに3年)が開会式に出席。他の登録メンバーたちも開会式会場を訪れ、大会の雰囲気を体感していた。

 今年、U-18、U-19日本代表、日本高校選抜、そしてU-20日本代表候補にも選出されている安藤は、今大会最注目のストライカーだ。安藤は「色々なところからスカウトが来ると思うんですけど、自分は同学年の選手には負けたくないですし、点を取るというところで周りの選手と違うぞ、オレは点取れるぞというところを示したいです。インターハイは将来の変わる大事な大会だと思うので、得点にこだわること、チームとして優勝することが目標です」と力を込めた。

 注目ストライカーは感謝の気持ちを忘れずに大会を戦う。今回のインターハイサッカー競技は、11年の東日本大震災からの復興を目指している宮城県で開催。震災の影響によって、サッカーがやりたくても、できなかった選手もいるという話も聞いた。

 開会式では地元高校生代表、仙台一高サッカー部の鶴岡響主将が「少しでもサッカーに夢中になって取り組み、仲間とともに頂点を目指せること、そして、この姿に感動できることの幸せをここ宮城の地で感じて頂けたら幸いです」と歓迎のことばでメッセージ。そして、大会役員たちの「支えられていることへの感謝」「一生懸命に」という挨拶を聞きながら、多くの人に支えられていること、一生懸命プレーすることの大切さを改めて実感していた。

 安藤は「自分が今サッカーできているのも、色々な人の支えだったり、(監督の)小嶺先生の支えだったり、家族の支えがあってからこそだと思うので、そこは感謝して、毎日サッカーをさせてもらっている。全国大会で勝って、優勝することで恩返しになると思うので、一戦一戦、戦い抜きたいです」。持ち味の前へ、前へのプレーで見る人たちを勇気づけ、勝利とゴールで支えてくれた人たちへ恩返しすることを誓う。

 前評判の高かった昨年のインターハイは2回戦で滝川二高に0-1で敗戦。今年も同様に周囲からの評価が高いが、安藤自身の決意、自覚が去年とは全く違うように映った。「去年は3年生とかもいて、『勝てそうだな』と思っていましたけれど、今年は『絶対に勝てる』と思っているので、そこは自分が引っ張って勝たせます。チームがダメでも自分がやってやる、やらなきゃいけないという部分が大きいので、そういうプレッシャーも自分は力に変えたいと思っているので、見られている分だけ頑張ります」と意気込んだ。

 まずは徳島市立高との1回戦。「全国に出ているチームはどこも強いので気を緩めずに戦いたい」と語るように、決して簡単な相手でないことは分かっている。だが、「行く力強さだったり、気持ちだったりでは負けたくない」という安藤は、どんな状況になっても、彼の最大の良さである前へ、前へ、ひたむきに前進する姿勢を欠かさず、チームのためにゴールを奪い取る。

(取材・文 吉田太郎)
●【特設】高校総体2017

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