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[MOM2165]広島観音MF山口直也(3年)_昨年の国体優勝チームキャプテン「経験が生きた」

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広島観音MF山口直也(写真協力=高校サッカー年鑑)

[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[7.30 全国高校総体2回戦 広島観音高1-0真岡高 仙台市泉総合運動場泉サッカー場西フィールド]

 この日の試合では左SHとして出場。両サイドがストロングポイントの広島観音高(広島)の中で、右SHのMF槙本稔己(3年)とともに真岡高(栃木)を脅かし続けたキャプテンのMF山口直也(3年)は、昨年の「希望郷いわて国体」サッカー競技少年男子の部で劇的優勝を遂げた広島県チームのキャプテン。自ら得点王にも輝いた。

 チャンスは作るが点を奪えそうで奪えず、逆に真岡にペースを握られかける時間帯もあった中の後半31分。「自分は主にサイドで張ってボランチ、SBからボールを受けたら仕掛ける役割。でも、この時は自分のポジションにいなくて。中が開いていたので意識して入っていったらいボールが来た」。

 左足でのシュートはポストに阻まれる。だが、跳ね返りをFW横下友則(3年)が押し込み、決勝点となった。「今日もそうでしたが、どんなに苦しい状況でもあきらめないことを国体で学んで。それがこの試合でもいきました」。

 広島観音の内田仁監督は「山口がエース」と言い切る。「本当は山口がもっと切れ込んでシュートを決めてくれれば、と。今日はそこまでシュートが打てませんでした。うちの両ボランチがボールを持ちあがって、山口がペナ角あたりで受ける形になれば、かなりの確率で決めてくれるのですが。実際、国体ではその形が有効でした。でも広島観音だと自分が全部やらないといけないから負担が大きくなってしまうのです」。

 個の力でゴールをこじあける。この大きな命題は本人も自覚するところだ。「今日は仕掛けることはできましたが相手を抜くことはできませんでした。次の試合では抜いた上でゴールしたい。今日の出来ではまだまだです。結果ゴールをアシストした?いや、シュートをポストに当てていたらダメです。最後まで決めないと」。

 玉のような汗をぬぐいながらハキハキと答える好青年。狙うは11年前に続く総体制覇。「目指すは全国優勝です」。ちなみに国体優勝後のゲキサカへのコメントでは「(次は広島観音で)全国いきたいですね。自分に勢いできますね。優勝したことによって」と言っていた。その通り全国に出てきたこの男、何かを持っている――周囲にそう感じさせるオーラが自然と放たれているように感じた。

(取材・文 伊藤亮)
●【特設】高校総体2017

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