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[MOM2175]流通経済大柏MF加藤蓮(3年)_2日前にSBからSH転向。イケイケのドリブルで大仕事

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流通経済大柏高MF加藤蓮(3番)。(写真協力=高校サッカー年鑑)

[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[8.2 総体準々決勝 流通経済大柏高 2-1 長崎総合科学大附高 ひとめぼれスタジアム宮城]

 流通経済大柏高の選手の中で前半から最も危険な存在になっていたのは、背番号3のサイドアタッカーだった。サイドからグイグイ仕掛けるドリブルと強烈なミドル弾、そしてタイミングの良いヘディングシュート。この日、両チーム最多のシュート4本を放ったMF加藤蓮(3年)は、その強引な突破によって「(今日の試合は)あのPKに尽きるんじゃないか」(本田裕一郎監督)というPK獲得の大仕事をしてのけた。

 0-1の後半23分、右サイドへ展開されたボールを受けた加藤は、「失点して自分たちが取りに行くしかない状況だったので、意識して前に行こうとしました。前半から相手がPA内で仕掛けたら嫌がっていたのは分かっていた」と持ち味のスピードに乗ったドリブルにチャレンジ。DFにわずかにボールに触られたが、勢いそのままに抜けようとしたところを後ろからファウルで倒されてPKを獲得した。

 このPKをMF宮本優太主将(3年)が決めて1-1。後半14分に失点した後、決定的なチャンスを作ることのできていなかったチームの中で、加藤は推進力ある動きによって流れを引き寄せ、同点ゴールと逆転勝利をもたらした。

 背番号3を背負う加藤は右SBとして今大会に臨んでいた。だが、本田監督によると、「この前の試合(市立長野高との3回戦、7月31日)で凄く良かったんですよ。それで試合の中で『前後変われ』って言って加藤を前に出したんですよ。それでも結構行けたので」という理由でこの日は右SHとして先発出場。そして、指揮官から「きょう良かったですよね」という評価を得るプレーをして勝利に貢献した。

 中学時代は主にトップ下の選手だったという加藤は、SBよりも攻撃的なSHのポジションで自身の強みをより発揮している。今はSHのポジションでよりゴールに絡むことを意識。「(きょうは)自分がゴール取って同点とか逆転ゴールにガッツリと絡めればもっと良かったと思うんですが、それは今後への課題。もっと結果を出してチームに貢献できたらいい」と意気込んだ。

 本田監督から「行け、行け!」と言われるという加藤は前橋育英高との準決勝でも「今度は自分がゴールを決められるように、イケイケでやっていきたいです」と宣言。2年連続の決勝進出を懸けた準決勝でも背番号3のアタッカーが大暴れする。

(取材・文 吉田太郎)
●【特設】高校総体2017

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