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“偉大な”先輩の背中を見て成長したFC東京U-18GK高瀬和楠

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準決勝、決勝と完封勝利を成し遂げた守護神・高瀬

[8.2 第41回日本クラブユースサッカー選手権(U-18)大会・決勝 浦和ユース 0-2 FC東京U-18 味フィ西]

 先輩の背中を見て成長してきた守護神が、今年は自分の力でチームを日本一へと導いた。

 序盤から浦和ユースを押し込む展開となったFC東京U-18。最後方に構えるGK高瀬和楠のプレー機会は決して多いとは言えなかったが、「予選から失点が続いていたので、『何としてでもゼロで抑える』という気持ちをディフェンス陣が共有できていた」と集中力を切らすことはなかった。そして、前半42分には浦和FW井澤春輝が枠内に飛ばしたミドルシュートにきっちりと反応し、横っ飛びで弾き出すなどゴールマウスにカギをかけた。

 だが、後半30分に高瀬をアクシデントが襲う。DF長谷川光基のクリアミスから危機を招くと、ルーズボールに反応。しかし、走り込んできたFW長倉幹樹と交錯してしまい、ピッチ上に倒れてしまう。すぐさま立ち上がり、「『当たったー』と思って、ちょっとだけフラフラした」ものの、「意識もあったので大丈夫だと思った」とその後もゴールを守り続けた。

 ゴールを守り抜く守備陣の期待に攻撃陣が応えたのは、後半34分だった。MF小林幹のスルーパスに走り込んだFW久保建英が左足シュートでネットを揺らし、先制に成功。さらに同38分には小林幹がダメ押しとなるPKを沈め、2-0の完封勝利を収めたチームは2年連続で日本一に輝いた。試合中に交錯するきっかけとなるミスを犯した長谷川からは、「プレー直後と試合が終わった後にすぐに『ごめん。大丈夫か?』と言われた」と声を掛けられたようだが、ともにゴールを守り抜いた仲間と喜びを分かち合った。

 高瀬は自身の成長があったのも、背中で示してくれた先輩の存在があったからだという。一つ上の先輩で今季トップチームに昇格したGK波多野豪、そしてユース昇格を果たせなくても青森山田高に進学して成長し、波多野同様に今季トップチームに加わったGK廣末陸の存在だ。

「1年生からベンチに入れてもらい、ベンチから見る時間が長くても、先輩たちの優勝を見て『自分もこのピッチに立ちたい』という思いが強くなった。自分が1年生の頃から成長できたのも、一個上の波多野選手が偉大な存在であってくれたからこそだし、廣末選手も青森山田で成長していると聞いていたので、2人の存在はすごく刺激になりました」

 先輩の背中を見て成長してきた男の背中を、今は後輩たちが見ていることだろう。大会3連覇を狙うことになる下級生たちに、「プレッシャーの中で目の前の相手を倒していく過程が一番成長できると思うし、幸せな環境だと思うので頑張ってほしい」とエールを贈りつつ、「ただ、まだ取れるタイトルは残っているので、取れるタイトルは取って(下級生に)良いプレッシャーを与えたい」と次なる頂点を目指す。

(取材・文 折戸岳彦)
●第41回日本クラブユースサッカー選手権(U-18)大会特集ページ


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