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0-0でピッチへ送られたFC東京U-18MF横山塁「気持ちを全面に押し出して」

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途中出場で果敢に仕掛けたMF横山塁

[8.2 第41回日本クラブユースサッカー選手権(U-18)大会・決勝 浦和ユース 0-2 FC東京U-18 味フィ西]

 最初の交代カードとしてピッチへ送られた。FC東京U-18のMF横山塁(3年)は0-0の後半26分に途中出場で決勝の舞台に立った。1年前はスタンドで応援していたMFだったが、目標としていた西が丘のピッチへ足を踏み入れた。

 MF杉山伶央(3年)に代わり、試合へ入ると2列目右サイドでプレーした。これにより、MF小林幹(3年)が左サイドへずれた。出場直後の後半27分には持ち味の縦への突破でチャンスメイク。右サイドからドリブルで仕掛け、ゴールライン際からマイナス気味のクロスを供給。惜しくもこれは相手DFに阻まれた。その後も「流れを変えてやろう」と熱い心意気で仕掛けていった。

 投入時に佐藤一樹監督からの指示はあったが「忘れてしまいました」と恥ずかしそうに笑う。「途中出場で0-0だったので、流れを変えてやろうという気持ちで入りました。試合に出るからには、気持ちを前面に押し出して、仕掛けていこうと思って……そればかりでした」。

 自身は得点に絡むことはなかったが、途中出場でフレッシュな横山がみせた右サイドからの突破は相手の脅威になった。チームは2-0の完封勝利で2連覇達成。またこの日の試合ではMF小林真鷹とFW吉田和拓もそれぞれ終了間際に投入され、わずかな時間とはいえ、自身の仕事を全う。勝利に力を添え、横山らとともに日本一の瞬間をピッチで迎えた。

 ルーキーイヤーに加え、昨季もなかなか出番のなかった横山は言う。「去年はスタンドで優勝するのを見て、自分もあそこに立ちたいなと思っていたので。今日はそれに加えて優勝という結果もついてきたので嬉しいです」。高校3年目でひとつの目標を達成した。

 FC東京U-18で11番を担い、切り札として投入された横山。優勝にも満足することなく、「まだこれからプレミアもJユースもあるので。去年先輩たちができなかった三冠を達成できるように頑張りたいです」と力強く先を見据えた。

(取材・文 片岡涼)
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