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「俺が全国一位を獲らせられるように…」日大藤沢MF柴田、大病を乗り越え“頂点獲り”を決意

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表彰式を見つめるMF柴田晋太郎(左)。(写真協力=高校サッカー年鑑)

[8.4 総体決勝 流経大柏高 1-0 日大藤沢高 ユアスタ]

 神奈川県予選からベンチに入っていた日大藤沢高MF柴田晋太郎(3年)は決勝の舞台でもベンチから仲間の戦いを見守っていた。

 今年のチームの主力として期待されていたMF柴田を病が襲ったのは昨年9月。右肩部に骨肉腫が見つかった。苦しい抗がん剤治療を乗り越え、今年5月にチームに帰ってきた。そして、チームメートと共に辿り着いた全国決勝の地。「選手が僕のためというよりは全国1位を獲りたいという想いが伝わってきた。(優勝できなかったのは)もったいなかったけど、悔いはないです」(柴田)。

 チームメイトのDF安松元気主将(3年)は、「晋太郎の存在は大きかった」と言う。「予選の時からチームとしてつらい状況もありましたけど、晋太郎がつらい思いをしているのに、自分たちがピッチで弱気なプレーをしていいのか」とチーム全員が覚悟をもって戦った。選手権に向けて柴田も含めた全員で「競争意識をもって」、チームは再始動する。

 柴田も全国総体前から少しずつ練習に復帰している。総体後からは対人練習も開始予定で、9月には試合にも挑むつもりだ。「(今大会の)選手のプレーを見ていて、今の自分ではメンバーには入れない。この選手を超えていかなければメンバーには入れない。リハビリも大変だと思うけど、後悔はしたくない」。

 どんな困難な状況でも仲間共に進んでいく。真っすぐ前を向き、「選手権では俺が全国一位を獲らせられるような選手になりたい」と力強く誓った。

(取材・文 石井健太)
●【特設】高校総体2017

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