beacon

[adidas Cup仙台]焦れずに攻め続けた開志学園JSC高が佐野日大の守りこじ開けて3発勝利

このエントリーをはてなブックマークに追加

後半7分、開志学園JSC高はFW田代壮馬が勝ち越しゴール

[8.7 adidas Cup仙台準々決勝 佐野日大高 1-3 開志学園JSC高 松島フットボールセンター]

 adidas Cup2017仙台大会準々決勝が7日午前、松島フットボールセンターで行われ、昨年度全国高校選手権4強の佐野日大高(栃木)と開志学園JSC高(新潟)が対戦。3-1で勝った開志学園JSCは準決勝でも横浜市立東高(神奈川)に勝ち、決勝進出を決めている。

 今年、関東大会予選、インターハイ予選と結果の出ていない佐野日大だが、海老沼秀樹監督は「去年の子たちはこの夏経験して伸びていきましたので、今年も期待しています」という。今回は主将のMF福澤力(3年)、GK大滝昌広(3年)らが不在でアピールを狙う2、3年生が参戦。立ち上がりにFW白石稜(2年)がシュートを打ち込むなど攻めたが、徐々に開志学園JSCにボールを握られる展開となった。

 3-5-2で守りの堅い佐野日大に対し「どうやって焦れずにこじ開けられるか」(近江宏武コーチ)という開志学園JSCは司令塔のMF金浦真樹(3年)を中心にボールを動かすと、推進力のあるMF大澤安寿都(2年)、MF菅原彰吾(1年)の両ワイドが仕掛けてセットプレーを獲得。そして24分、菅原の左CKをCB武藤圭亮(3年)が打点の高いヘディングシュートで叩き込んで先制点を奪った。

 佐野日大も手数の少ない攻撃からMF川村幸弘(3年)がフィニッシュまで持ち込むなど反撃。後半4分にはFW茂木建弥(3年)のキープからMF関塚晃生(2年)の放った右足シュートがGK頭上を抜けてゴールネットへ突き刺さる。

 だが開志学園JSCは7分、交代出場のMF今澤優斗(3年)の左クロスを交代出場のFW田代壮馬(3年)が決めて勝ち越し。また負傷明けのFW梅津比未来(3年)が個人技で左サイドを打開して見せるなど畳み掛ける開志学園JSCは、12分にも武藤の縦パスで抜け出した田代が決めて3-1へと突き放した。

 焦れずに攻め続け、後半は縦へのスピードも活かした開志学園JSCが2点をリード。だが、ボールを繋いで攻めようとする中で、背後へのボールの処理が乱れるシーンのあった開志学園JSCはピンチを招いてしまう。佐野日大は15分、左サイドから仕掛けた茂木の右足ミドルがクロスバーを直撃。20分にも左DF堀田拓海(3年)のオーバーラップを起点とした攻撃から茂木がフィニッシュまで持ち込んだ。だが、前へのディフェンスが力強い武藤やGK伊沢雄人(3年)らを中心に佐野日大の反撃を跳ね返した開志学園JSCが3-1で勝利した。

 開志学園JSCは午前午後の2部練習など“サッカー専門”の学校という特色を活かしてエリート教育、サッカーを通しての人間形成を実施。中学時代は無名だった武藤や梅津、今澤がチームの主軸となっているように、時間をかけて育成できるメリットの中で選手たちが成長してきている。
 
 インターハイ新潟県予選は優勝した日本文理高に延長戦の末、惜敗。選手権こそ、全国大会出場を果たせるように、チームとしてのレベルアップ、また個々がリーダーシップを取れるようになることも目指してこの夏を過ごしている。

  武藤は「インハイ負けたけれど、気持ち入れて、走り合宿とか声出して頑張ってきた。良いチームになってきた」と手応えを口にする。チームには家族の支えなどあって関東から進学してきている選手も多いだけに、「みんなも選手権で全国行って親に恩返ししたいと言っている」(武藤)。家族に恩返しするためにも、14年度以来となる選手権へ。田代は「全国へ行った代のベスト16を抜いて全国優勝したい」。まずは目の前にあるアディダスカップ決勝で勝利して、自信をつける。
 
(取材・文 吉田太郎)

TOP