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[SBS杯]影山監督「マイナスからのゲイン」、U-18日本代表が最終戦で意地の1勝挙げる

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決勝点をアシストしたU-18日本代表DF石原広教(湘南)

[8.13 SBS杯国際ユース第3節 U-18日本代表 2-1 U-18チェコ代表 草薙陸]

 意地の一勝を、指揮官は「マイナスからのゲイン(獲得)」と表現した。静岡県で開催されている「SBSカップ国際ユースサッカー」は13日に最終日を迎え、2連敗を喫していたU-18日本代表は2-1でU-18チェコ代表を下し、初勝利を挙げて大会を終えた。

 リードを得ても試合をコントロールできなかった点は反省材料だが、これまでの2戦では特に積極性を欠いていただけに、意地を見せて最後に勝利をもぎ取った意味は小さくない。影山雅永監督は「代表を個としてもチームとしても強くするためには、紆余曲折がある。最低限のことが最後の最後で多少でも出せた。1勝2敗なのでプラスとは言えないですけど、マイナスからのゲインを持って次に臨めるところを見せてくれたことは、ポジティブに捉えています。ちゃんと(チャンスを)決めておけよとか(相手の攻撃を)分かっているのだから、しっかりと止めろよと思う部分があるけど、それでももう1回、力を出して(勝利を)もぎ取ったという意味では、大きいものだと思う」と話し、課題の多さに言及しつつも、11月にモンゴルで開催されるAFC U-19選手権2018予選に向けた進歩の糧を得たことに、光を見出した。

 試合は、序盤から日本が攻勢に出た。長身FW原大智(FC東京U-18)が積極的な飛び出しを見せて、相手の背後を急襲。そして前半19分、右サイドに抜け出た原がクロスを送り、FW杉田将宏(名古屋U-18)が飛び込んでGKと競った後、ファーに抜けたボールを左MF田中陸(柏U-18)が決めて先制した。

 しかし、後半から相手がFWの選手を代えて、ロングパスを多用したスピーディーな攻撃に切り替えると、徐々にカウンターを受ける場面が増えて行った。後半4分、26分と右MF堀研太(横浜FMユース)が決定機を外すなど突き放すチャンスを逃し、後半29分にはクロスを自陣ゴール前で合わせられる大きなピンチがあり、GK若原智哉(京都U-18)の好守でしのいだが、押され気味になった。

 そして後半34分、サイド攻撃を受けて失点。残り5分で勝利を目指す展開になった。影山監督は、FW加藤拓己(山梨学院高)とMF川村拓夢(広島ユース)を同時投入。アディショナルタイムに再びサイド攻撃を受けて陥った決定的なピンチを「終盤で相手も攻めて来ると思って準備していたし、シュートが来ると思った。正直、ボールは見えていなかったけど、体が勝手に反応した」という若原のファインセーブでしのぐと、攻撃陣が好プレーに応えた。右サイドを攻めると、DF石原広教(湘南)がドリブルで相手をはがしてクロス。GKの鼻先へ加藤が頭から飛び込んでダイビングヘッドで劇的な勝ち越し点をたたき込んだ。

 アシストをした石原は、早生まれで今大会の招集メンバー唯一のプロ。影山監督は「2試合を終えて、唯一のプロ選手としてチームを引っ張れていない悔しさを見せていた」とキャプテンマークを託したが、最後に結果を出した。

 石原は「第2戦の静岡ユース(同世代の県選抜)に敗れた試合は、日本代表としてやってはいけない恥ずかしい試合だった。戦えていなかった。試合の後は、選手でビデオを見てミーティングをして、球際とか戦う部分の話をした。最後の得点の場面は、相手に負ける気はしなかったし、絶対に(突破を仕掛けて)勝てると思っていた。ミーティングでは、互いのプレーの要求もした。加藤にも、GKとDFの間に入って来てくれと要求したし、それがなければ、あのゴールはなかったと思う。話しておいて良かった。優勝はできなかったけど、最後に良い形で終えられたことは良かった。またチャンスをもらえるか分からないけど、チームでまた課題に向き合いたい。今日、負けていたら、本当に帰れない。笑えないですよ」と、プロの意地、日本代表の意地を見せた一戦を振り返った。

 納得できる成績は残せなかったが、影山監督が「日本代表はやっぱりすごいと言われる部分は、上手いねというところではなく、ファイティングスピリットがあって、タフに戦えるところが先。それをなくして世界に出て行くなんて言えない」と評した部分を、U-18日本代表が最後にようやく見せた一戦だった。

(取材・文 平野貴也)
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