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指揮官得意の“マンマーク作戦”で臨んだ神戸、前半は「優位」も後半に「課題」

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ヴィッセル神戸は0-1で敗れ、3連敗となった

[8.13 J1第22節 FC東京1-0神戸 味スタ]

 ヴィッセル神戸ネルシーニョ監督はFC東京戦、相手の3-1-4-2に合わせた3-4-1-2システムを採用した。アンカーのMF高萩洋次郎にFW渡邉千真、その前に構える中盤2枚にはMF田中英雄とMF藤田直之がそれぞれ密着マーク。ブラジル人指揮官が3バックの相手に対して得意とする“マンマーク作戦”が、序盤は見事にハマっていた。

 試合後、FC東京の攻撃の起点となった高萩が「マンツーマンで対応されて、前半はボールを動かすのがうまくいかなかった」と話したように、「相手にとって予想外の配置になり、優位に立てた」(ネルシーニョ監督)という45分間を展開。前半18分には低い位置でパスを受けたMF橋本拳人に猛然とプレスをかけた藤田がボールを奪い、スルーパスからFW小川慶治朗がシュートを放つなど、決定的な場面もつくった。

 ところが、ハーフタイムに小川を下げてFWハーフナー・マイクを投入すると、FC東京に主導権が移った。指揮官は交代について「前半はルーカス(・ポドルスキ)が下りて起点になり、千真も下りてきていたので、ゴール前でターゲットになる選手がいなかった。マイクには『ゴール前に顔を出せ』と伝えた」と意図を説明。しかし、後半は「相手の中盤での修正に対応しきれずに引く展開となった。ボールを奪ってもカウンターに出て行けず、相手のキーマンにボールを持たれてしまった」という悔やまれる形となった。

 悪い流れを止められないまま、後半43分に失点し、0-1のままタイムアップを迎えた。3バックの中央でチームを支えたMF高橋秀人は「相手がサイドチェンジを多用してきて、自分たちの運動量が落ちたところでやられてしまった」と敗因を分析。交代をきっかけに流れが悪くなったことについては、「前半は小川が前から二度追い、三度追いをして、パスコースを限定してくれたので助かっていた。でも、マイクもヘディングは惜しかったし、違った特長を持っている。タイプの違う選手が出てきた時に、誰がその部分を埋めるかというところが自分たちの課題」と唇をかんだ。

 これでチームは3連敗。中断期間中にFWルーカス・ポドルスキ、ハーフナーという強力なストライカーが加入したが、チームの状態は上向いていない。ネルシーニョ監督は「2人とも海外から来て、1か月のオフがあった。すぐに順応するのは簡単じゃない」とフォローしながらも、「できるかぎりのサポートをして、彼らの良さをチームの中で出せるようにしていきたい」と今後の挽回を誓った。

(取材・文 竹内達也)
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