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[UAチャレンジカップ]「ふがいなかった」初戦から立て直した聖光学院が東北生活文化大高に競り勝つ

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後半6分に追加点を決めたDF下薄祐哉(3年)がチームメイトとハイタッチ

[8.17 アンダーアーマーチャレンジカップ 東北生活文化大1-2聖光学院 いわきFCフィールド]

 高校12チームが参加する「アンダーアーマーチャレンジカップ2017 SUMMER」が17日、開幕し、いわきFCフィールド、いわきグリーンフィールド、いわき明星大学でグループリーグの第1節と第2節を行った。いわきFCフィールドで行われた「リーグ1」の第4試合では東北生活文化大高(宮城)と聖光学院高(福島)が対戦。聖光学院が2-1で勝利し、初日を1勝1敗で終えた。慶應義塾志木高(埼玉)が2連勝で首位に立ち、明日18日にグループリーグ最終節を行う。

 総体福島県予選は8強敗退に終わり、冬に向けて5年ぶり2度目の全国高校選手権出場を目指す聖光学院の山田喜行監督は「プリンスリーグ東北も間もなく再開するが、選手権予選に向けて夏休み前半に取り組んできたことを確認し、選手権予選へモチベーションを上げることが目的」と位置付け、アンダーアーマーチャレンジカップに参戦した。

 午前中の1試合目はプリンスリーグのメンバー主体で臨み、慶應義塾志木に0-1の敗戦。「1試合目がふがいなく、戦えなかった」と選手に喝を入れ、メンバーを大きくシャッフルして午後の東北生活文化大戦に臨んだ。前半4分、東北生活文化大はPA手前でFW松本優磨(3年)が相手選手を引き付けてラストパスを送り、MF小畑勇人(3年)が決定的なシュートを放つが、GK船山光輝(2年)がセーブ。立ち上がりのピンチをしのぎ、聖光学院が先手を取った。

 FW前川龍之助(1年)、MF半沢愛斗(1年)、DF小幡俊介(1年)という1年生3人を先発起用すると、3トップの中央で抜擢された前川がいきなり結果を残す。MF半田琉人(2年)とワンツーの形でゴール前に抜け出し、シュート。GKに触られながらもそのままゴールネットを揺らし、先制点を奪った。

 反撃に出る東北生活文化大も前半21分、小幡のスルーパスから松本が右サイドを深くえぐり、折り返しに逆サイドからDF三塚爽弘(2年)が飛び込んだが、ヘディングシュートは枠を捉えられない。直後の22分には守備の対応で後手を踏んでいたセンターバックを早くも交代し、DF垣崎俊介(1年)がピッチに入った。

 互いに選手交代して迎えた後半6分、聖光学院は後半開始から出場したMF菅野航之(3年)の折り返しに同じく途中出場のDF下薄祐哉(3年)が合わせ、追加点。2-0とリードを広げるが、東北生活文化大も直後の9分にMF佐藤卓(2年)が鮮やかなループシュートでゴールネットを揺らし、すぐさま1点差に追い上げた。

 勢いづく東北生活文化大は4-4-2から3-5-2にシステム変更し、攻撃に人数をかける。聖光学院も攻撃の姿勢を貫き、後半21分には高い位置でボールを奪ったFW須藤祐斗(2年)がそのままドリブルで持ち込み、右足でシュートを打ったが、GK佐藤凪(3年)の好セーブに阻まれた。

 後半26分には相手のハンドでPKを獲得した聖光学院だったが、MF府津羅主直(3年)のキックは左ポストをかすめてゴール左に外れてしまう。東北生活文化大はMF小泉光稀(1年)の右CKからFW佐藤力丸(3年)がヘディングシュートを放つなどチャンスをつくったが、同点に追いつくことはできず、そのまま1-2でタイムアップを迎えた。

 1試合目の敗戦からきっちり立て直した聖光学院の山田監督は今夏の強化ポイントとして「点を取ることもそうだが、いかに失点しないかが大事。これまで攻撃を仕掛けたときのカウンターから失点することが多かった」と指摘。選手権予選に向けても「攻撃のタレントとしては、試合を決定づけられる選手が前線にいる。可能性は大いにある」と自信を見せる。

 福島県は尚志高が3年連続で全国選手権の切符を勝ち取っている。「チームがうまくいかないときに3年生がチームの中心となって、いかに一体感が生まれるか」と話す山田監督は「メンタリティーが上がってくれば、尚志と戦える能力はある」と、打倒・尚志に闘志を燃やしていた。

(取材・文 西山紘平)

●アンダーアーマーチャレンジカップ2017 SUMMER

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