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“世紀の一戦”メイウェザー対マクレガーはどれほどスゴイ?収入・総資産をサッカー界と比較

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“世紀の一戦”を収入・総資産でサッカー界と比較してみた

■格闘技界の頂点2人が激突

 2人のファイターの激突を、「世紀の一戦」と評価する人もいれば、ボクシングというスポーツを笑いものにし、汚すものだという人もいる。

 8月26日に予定されているボクシング界のスーパースター、フロイド・メイウェザーと、さまざまな格闘技を戦ってきたコナー・マクレガーの一戦は、間違いなく今年行われるイベントの中で、最も熱く議論されるもののひとつとなるだろう。

 マクレガーは2015年、UFC世界フェザー級王座統一戦でジョゼ・アルドを倒し、王者となった。それ以来、アメリカの総合格闘技団体、UFCにおける最も輝かしいスターとなっていた。そのマクレガーに対し、自身の不敗記録を更新すべくメイウェザーは現役引退を撤回した。

 マクレガーがUFCで使用しているオープンフィンガーグローブとは異なり、ボクシング用の大きなグローブをどう操るかは見ものであるとされる。結果がどうあれ、ネバダ州で行われるこのファイトによってマクレガーは巨額のファイトマネーを手にすることになるという。

 一方、すでに巨万の富を築いているメイウェザーも、さらに多額の収入をそこに上乗せすることになる。それでは、2人の財力は世界トップクラスのサッカー選手と比べていかに突出していることなのか、分析していこう。

■桁違いなメイウェザーの総資産

 メイウェザーとマクレガーの2人は、ラスベガス・ストリップのあるネバダ州パラダイスのTモバイル・アリーナで、8月26日の夜に激突する。

 アメリカでは、このファイトは、ショータイムのPPV(ペイパービュー)によって放映され、通常画質では89ドル95セント(約9900円)、高画質では99ドル95セント(約1万1000円)で視聴できる。

 経済誌『フォーブス』によると、メイウェザーの資産は3億4000万ドル(約374億円)である。一方、マクレガーの資産を推定するのは困難だが、2500万ドル~3500万ドル(約27億5000万円~38億5000万円)と見られる。

 現状では、メイウェザーのほうがはるかに上であることは明らかだが、ここまでプロキャリア49戦49勝と“百戦錬磨”のメイウェザーが40歳であるのに対し、マクレガーは29歳になったばかりの若者にすぎない。

 マクレガーは総合格闘家としての輝かしい人生を意気揚々と歩んでいるところではあるが、メイウェザーはすでに、モハメド・アリ、マイク・タイソン、ジョージ・フォアマンらとともに、歴史に名を残す偉大なプロボクサーの一人としての地位を確立している。ただし、メイウェザーの場合、その実績だけでなく、絶大な人気と社交的な性格のおかげで、30代になってもトップボクサーとして収益を維持してきたと言えるだろう。

 現UFCライト級チャンピオンのマクレガーは、今回のファイトで、自身の純資産の4倍を稼ぐと豪語しているが、決して大げさではないようだ。このファイトについては、史上最高の興行収入を生みだした2015年5月のメイウェザー対マニー・パッキャオを上回る収益の記録が予想されている。2年前のこの一戦だけで、メイウェザーは2億4000万ドル(約264億円)を手にしたと報じられている。

 今回、メイウェザーは、その時の総額を上回る額を手にする可能性が高いという。一方、マクレガーがメイウェザー戦のファイトマネーとして手にする額は、それより少ないようだ。正確な額は公表されていないものの、それでも1億ドル(約110億円)を超えるファイトマネーを懐に入れることは間違いないようだ。さらにスポンサー契約と広告収入が加わって、2人にはさらなる収入がもたらされることが予想されている。

■プロサッカー界を大きく上回る“世紀の一戦”

 現在、世界で最も有名なサッカー選手と言えば、クリスティアーノ・ロナウドリオネル・メッシで間違いないだろう。その2人の場合、総資産は2億500万ドル~3億3000万ドル(約225億円~363億円)と推定されている。

 つまりメイウェザーは、サッカー界のトップ2人よりも明らかに豊かということになる。その一方で、マクレガーが世界で最も稼ぐスポーツ選手の仲間入りを果たすには、まだまだ道のりが遠いということだ。

『フォーブス』誌によると、C・ロナウドは2016-17シーズンに、世界で最も稼いだアスリートであり、1年間の総収入は9300万ドル(約102億円)だという。メッシは8000万ドル(約88億円)で第3位、マクレガーは3400万ドル(約37億円)の24位である。

 マクレガーは24位であるが、もし来年に同様のランキング発表があるとしたら、大幅にジャンプアップすることは間違いない。もしかしたら、C・ロナウドとメッシを上回る可能性だってあるのだ。

 ボクシング界のスーパースター、メイウェザーは2015年以降に試合をしていなかったこともあり、『フォーブス』誌のリストには載っていなかった。つまり、メイウェザーはマクレガーとの一戦で久しぶりの大金を手にすることになるのである。

 2年前のパッキャオ戦も“世紀の一戦”として注目の的となったが、マクレガーとの一戦で、メイウェザーはそれ以上のサラリーを得ることになるようだ。

■ボクシングとサッカーの賞金額の違い

 アメリカのスポーツ専門チャンネル『ESPN』は、チケット販売、PPV視聴、関連商品の販売、スポンサー契約、賭けなどを合わせたこのファイトの総収益は6億ドル(約660億円)に及ぶと報じている。2年前のメイウェザー対パッキャオの一戦には少々足りないが、それでも巨額のお金が動くことになる。

 このお金の流れを踏まえると、ファイトマネーの総額は少なくとも3億ドル(約330億円)であるとされ、その分配はメイウェザー:マクレガーで70-30、もしくは75-25であると言われている。

 ではサッカー界における大一番を例に挙げてみよう。今年6月に行われたUEFAチャンピオンズリーグの決勝、レアル・マドリーユベントスで勝利したレアル・マドリーは、クラブとして、たった6400万ドル(約70億円)しか手にすることができなかった。

 レアル・マドリーは2010年以降、チャンピオンズリーグで最も賞金を得たクラブであるが、その間の総額は4億ドル(約440億円)を少し上回るほどで、メイウェザーとマクレガーが最大36分間のファイトで分けあう額より、ほんの少し多いだけに過ぎないのだ。

 実は、サッカー界のクラブが得る賞金に関しては、UEFAチャンピオンズリーグで優勝するよりも、プレミアリーグ制覇の方が高額とされる。昨シーズン、プレミアリーグのタイトルを獲得したチェルシーは2億ドル(約220億円)を手に入れたという。

 これは、表彰台の位置によって変わる「収益」の支払い額と、巨額のテレビ放映契約の、イングランドのトップチームへの分配額が合算されるためである。

■世紀の一戦はどちらが制するのか

 プロキャリア49戦無敗というボクシングの実戦から見て、メイウェザーに大きなアドバンテージがあることは間違いない。実際に大々的に本命視されており、オンラインカジノ『dabblebet』のオッズを見ると、メイウェザーがマクレガーに勝つというのが1-7で、マクレガーの勝利は9-2である。

 ボクシング界を知る多くの識者は、総合格闘技が本職であるマクレガーに、ボクシングのルールで「勝機はない」と予想している。たとえばマイク・タイソンは「UFCのオクタゴンリングでなければ、マクレガーは殺されるだろう」との見解を示した。

 ただし、UFCのダナ・ホワイト会長は、試合の話題性を高めるために、マクレガーの名声を利用している。会長は「2人がパンチを繰りだすとき、何が起こるか誰も予測できない。特に、コナー・マクレガーのような選手の場合はね」と語っている。

「マクレガーのパンチはトラックと同じだ。彼に殴られたら必ずケガする」

 メイウェザー対マクレガーの一戦は現地時間26日に行われる。ボクシング界と総合格闘技界の頂点が相まみえる一戦は、サッカー界の常識的な規模を大きく上回るお金が動く戦いなのだ。

 スポーツ史に名を残す歴史的一戦は、間もなくやって来る。

Oli Platt/オリ・プラット

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