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世界一決める大一番で決勝点!!ユニバ代表FWジャーメイン良は『Gマーク』パフォ披露

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決勝点のジャーメインは『Gマーク』パフォーマンス

[8.29 第29回ユニバーシアード競技大会・台北大会決勝 日本代表1-0フランス代表]

「ちょっと興奮し過ぎて、あまり上手くできなかったですね。後々、練習しておきます」。金メダルを引き寄せる先制点を挙げたストライカーは苦笑いを浮かべた。第29回ユニバーシアード競技大会の男子サッカー決勝が29日に行われ、ユニバーシアード日本代表は、1-0でフランスを下して3大会ぶり6回の優勝を飾った。

 決勝点を奪ったのは、FWジャーメイン良(流通経済大4年=流通経済大柏高、仙台内定)。右MF戸嶋祥郎(筑波大4年=市立浦和高)がドリブル突破から送った低いクロスを、ゴール正面できっちりと合わせた。ジャーメインは「当てるだけだったので、ほとんど祥郎のゴールですけど、我慢してポジションを動かさずに真ん中でいられたのが良かったと思う」とゴールの感触を話した。

 ゴールを決めると、両手を胸の前に運んで何やら形を作っていたが、スタンドから見てすぐに判断することはできなかった。試合後に改めて聞いたときの感想が、冒頭のコメントだ。ジャーメインの頭文字である『G』を表していたのだという。練習しておくと話したように、今後はGマークパフォーマンスをトレードマークにする意向だ。

 貴重な先制点は、決勝点となった。ジャーメインは「決勝は途中で交代したけど、試合に出ている選手がみんな、体を張って戦ってくれていて感動したから、その分、金メダルをもらったときは泣きそうだったし、嬉しかったです」と喜んだ。

 1日おきに試合が行われるため、チームは選手を試合毎に大きく入れ替えるターンオーバー制を採用したが、ジャーメインは先発した3試合すべてでゴールを決めた。第2戦のカナダ戦で2得点、第4戦の準々決勝では1得点のほかにPK獲得でも勝利に貢献。そして決勝で値千金の先制点をたたき込んだ。

「(運を)持っていましたね。決勝の前日までヤス(脇坂泰斗)が4点で得点ランクのトップにいたので『ボランチが(得点王を)取るのはどうかな。どっちかが点を取ろう』と怜央(旗手怜央)とは話していて、たまたま自分が取った」とさらっと話したが、エースストライカーと言える働きぶりだった。

 大会期間中は、他国のメディアからも注目されていた。もちろん、ゴールを決めていたことも理由の一つだが、ほかにも理由があった。日米ハーフのため、英語で取材対応ができるだろうと海外の記者に思われたのだ。しかし、ジャーメインは、日本生まれの日本育ち。海外メディアのインタビューにどうにか対応したが「英語、できないんですよ。普通に困りましたね」と笑っていた。

 笑顔で終えたユニバーシアードは、国際試合という貴重な経験だが、ジャーメインにとっては通過点だ。すでに来季の仙台加入が内定しており、7月には仙台の一員としてプレシーズンマッチに参加して、ゴールも決めている。プロの世界で羽ばたける選手へと、さらに成長していかなければならない。

 プロ入り前に、再び国内の戦いも始まる。「シードで(9月4日の2回戦から)で良かったです」と話したのは、決勝戦の翌々日に開幕する総理大臣杯のことだ。日本に戻り、今度はユニバ代表のチームメートと大学日本一の称号を争う。国内でも『G』マークパフォーマンスを見せるか、注目だ。

(取材・文 平野貴也)
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