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[MOM2211]C大阪U-18FW山田寛人(3年)_世界での大暴れ誓うU-17代表ストライカーが先制ゴール!

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セレッソ大阪U-18FW山田寛人

[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[9.3 高円宮杯プレミアリーグWEST第11節 G大阪ユース 1-2 C大阪U-18 OFA万博フットボールセンター]

 10月に行われる「FIFA U-17ワールドカップ インド2017」に出場するU-17日本代表メンバー入りが期待される一人が、セレッソ大阪U-18のFW山田寛人(3年)だ。出場に並々ならぬ意欲を示すストライカーが、視察に訪れたU-17日本代表・森山佳郎監督の前でゴールを奪った。
 
 試合開始直後の3分、「開始早々は相手も集中していると思うのですが、隙もあるので、ドンドン突いていこうと考えていた」と一瞬の隙をしたたかに狙っていた山田は、ゴール前でMF荒木秀太(3年)が競り合ったこぼれ球に少し遅れて反応。GKとDFの間に走り込むと、懸命に右足を伸ばしてボールがゴールネットを揺らした。

 好スタートを切ったものの、ここからは「前半は自分の所にあまりボールが入ってこなかったし、自分の動きも悪かったので、あまり攻撃に関われなかった」。しかし、チーム全体で気持ちを入れ替えて挑んだ後半は前線からの守備で相手DFを追い込む場面が増加すると、攻撃面でもボールを受ける機会が増えたことで自身の調子を上げていった。

 ハツラツとしたプレーを続ける中でも、目を惹いたのはボールを持ってからの仕掛け。これまでは相手DFの裏を積極的に突くプレーが多かったが、「攻撃パターンを増やして、もっと怖い選手になっていきたい」と意欲的に取り組んだ成果が表れ、試合の中でトップから2列目に落ちた際に、そこから前向きで仕掛けるプレーも増えたという。結果こそ、1得点に終わったが、試合全体を通して見れば、攻撃の核となるプレーを披露。村田一弘監督は「プレーに余裕が生まれてきたし、モチベーション高くやってくれた」と、この日の活躍を称えた。

 中学時代までは全国的に無名な存在ながらも、高校でC大阪U-18に入ってからは世代別代表入りやJ3デビューを果たした。その一方で、これまでは怪我に悩まされ、断片的な活躍に留まってきた。原因は中学から悩まされてきた腰痛。C大阪に入ってからは腰の可動域が狭いことが原因と判明し、正しい腰の使い方を学び、ストレッチや筋トレを繰り返しきた。

 昨年は何とか「AFC U-16選手権インド2016」のメンバー入りを果たし、世界切符獲得に貢献したが、今季に入ってからも腰痛で戦列を離れる時期が見られた。だが、「ずっと腰の痛みで悩んでいて、右足でシュートが打てなかったりしたけど、最近はようやく調子が上がってきた。もうすぐワールドカップが始まるので、そこまでに上げていきたい」と話すように、調子は上向きだ。

 U-17ワールドカップを控えた日本代表でも復調の気配は漂う。8月下旬に行われたU-17日本代表のチェコ遠征では、好調をアピール。特に圧巻だったのは、決勝のU-17チェコ代表戦で、前半終了間際にミドルゾーンでボールを受けると、巧みなドリブルで4人をかわして放ったシュートをゴールネットに突き刺した。

「たまたまに近いゴール。自分でもかなり珍しい形で、自分でも驚いた」と振り返る一撃で同点に追いつくと、チームは後半に2点を追加し、大会の頂点に立った。U-17ワールドカップ前哨戦とも言える大会での活躍により、「ああいうゴールを決められて自信がついた。どんな相手でも、前を向いてシュートを打てば入ると確信が持てた」。

「まずはメンバー入りするのが目標だけど、出られたら自分の人生が変わると思う」と評する舞台への準備は着々と進んでいる。大会までの残りプレミア3試合でも、得点を積み重ね、世界で大暴れするつもりだ。

(取材・文 森田将義)

●2017プレミアリーグWEST

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