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湘南内定の順大DF坂圭祐「自信を持って決断した」…発表当日には浅野拓磨から祝福LINE

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湘南への入団内定を発表した順天堂大DF坂圭祐

 湘南ベルマーレから15日に順天堂大の主将DF坂圭祐の入団内定が発表になった。翌16日には大学生活最後のリーグ戦となる後期リーグが開幕。順天堂大は駒澤大を相手に2-1で勝利し、首位の筑波大との勝ち点差を「1」とした。

「後期開幕というよりは、対駒澤を意識していました。(監督が)堀池(巧)さんになってからほとんど勝てていなかったので、苦手意識がありました。最後に失点してしまったけど、いいスタートになったのかなと思います」

 坂は三重県の名門・四日市中央工業高出身。1学年上には日本代表FW浅野拓磨(シュツットガルト)、2学年下にはMF森島司(広島)らがいる。坂が1年生の時に出場した第90回全国高校選手権ではレギュラーCBとして準優勝に貢献。3年時に出場した第92回全国高校選手権では主将として4強に導いた。

 順大に進学してからも1年時より出場機会を獲得。主将として迎えた最終学年の今季は、ユニバーシアード大会を戦った全日本大学選抜にも選ばれ、金メダル獲得に貢献した。そして3年前のDF谷奥健四郎(→松本)、2年前のDF新井一耀(→横浜FM、現名古屋)の順大CBの系譜を継ぎ、湘南への入団内定を勝ち取った。

 坂を評価するクラブは多く、最終的に届いたオファーの中には、J1で優勝争いをするようなクラブからのものもあったという。それでも坂は今季J2を戦っている湘南への入団を決めた。「候補はいくつかありました。でも湘南に関しては悪い噂を聞いたことがない。むしろ勧めてくれる声が多かった。高校の(樋口士郎)監督に相談しても勧められました。だから自信を持って決断しました」。

「自分は身長が小さいCB(174cm)なので、正直プロになれるか不安だった。そこで最初に声をかけてくれたのが湘南さんだった。スカウトの牛島(真諭)さんも練習をよく見に来てくれていた。そういう部分でも心が動いた。練習参加した際にもやりやすさを感じました。レベルの高い中で成長できると思って決めました」

 入団内定を発表した当日、坂にとってちょっとしたサプライズがあった。高校の先輩の浅野から無料通信アプリ『LINE』を通じてメッセージが届いたのだ。高校時代はともに怪我でリハビリをしていた時期があり、「その時は特に仲良くさせてもらっていた」。卒業後はなかなか連絡を取る機会はなかったが、久々に連絡を取り合うことになった。

「『湘南決まったんやね、おめでとう。お互いプロとして頑張ろう』ってLINEでメッセージが届いたんですけど…ビックリしました(笑)。でも見てくれてるんやというだけでうれしかった。『いつか一緒にやれるように頑張ります』って返信しました。一緒に四中工とか三重県を盛り上げていければいいなという感じですね」

 湘南には坂の他に鹿屋体育大のMF松田天馬国士舘大のFW山口和樹の入団が内定している。松田は大学選抜のチームメイトで、ユニバ期間中は一緒にいることも多かったのだという。「松田は特別指定をもらって試合にも出ている。そういうのを見ると、自分も頑張らないといけないなと思います。山口和樹君との面識はまだないのですが、3人でいつかご飯に行こうという話はしています」。

 ただプロ入り前にやるべきことがある。順天堂大蹴球部にとって今年は創部60年目の節目の年。前期は2位の好位置で折り返し、1990年以来2度目となる優勝の期待も高まっている。坂も「(首位の)筑波大に離されずにいかにして最終節まで持ち込めるかがポイントになる」と気を引き締めると、「とにかく試合を落とさないことが大事。前期で多かった引き分けを、どう勝ち点3に繋げられるか。1試合1試合、個人としてもチームとしても成長していきたい」と力強く話した。

(取材・文 児玉幸洋)
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