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90分無失点もPK戦で惜敗…目標増えたGK谷晃生「もう一回、世界の舞台で」

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悔しさをにじませるGK谷晃生(G大阪ユース)

[10.17 U-17W杯インド2017 決勝T1回戦 日本0-0(PK3-5)イングランド]

 ベスト16の壁は破れなかった。GK谷晃生(G大阪ユース)は大会出場3試合目で初めて90分間を無失点に抑えたが、PK戦で無念の敗退。「まだまだ足りない。これから先のカテゴリーにつなげるために、この試合はいい通過点」と前を向こうとした。

 泥臭く、2年半の集大成をぶつけた。「1人で無理だったら2人、3人で連動して守る」と話していた通り、最終ラインと息のあった連携で粘り強くイングランドの攻撃をシャットアウト。7番MFフィル・フォデン(マンC)ら個の力は出色だったが、大崩れする可能性もあった試合を見事に無失点に抑えた。

 大会の規定により、90分間で決着がつかない場合は延長戦を行わず、そのままPK戦に突入。後攻の日本はDF菅原由勢(名古屋U-18)、FW宮代大聖(川崎F U-18)まで2人が成功したが、3人目のMF喜田陽(C大阪U-18)が失敗。先攻のイングランドは全員が成功し、日本はPK3-5で敗れた。

 PK戦は日本に分がある算段だった。試合後、森山佳郎監督は「イングランドはPK戦が2勝12敗だったみたいで、PKは谷を信じて。これまでいろんなチームにお願いしてPKの練習をしてきた。十分に勝機はあると考えていた」と明かした。

 PKは止められず、プラン通りに運んだ激戦はあと一歩及ばなかった。谷はじわじわとこみ上げてくる感情を抑えるように言葉を選びながら、「PKでもまだまだ伸ばせるところがあると思う」と受け止めた一方、「90分を通してイングランドをゼロで抑えられたのは一つ、自信を持っていい」と収穫も得た。

 立ち上げから2年半。共に歩んできたチームの挑戦は終わったが、新たな目標も見えた。「もう一回、世界の舞台で戦いたい気持ちはさらに強くなった。東京五輪、U-20W杯もそう。自分にとって目指す目標がまた増えた。年齢は下になるけど、自分たちはこの経験をしているので大きな財産になると思う」。53,302人の大観衆の前でゴールを守り抜いたこの経験を糧に、成長速度を上げていく。

(取材・文 佐藤亜希子)

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