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[MOM2256]青森山田MF郷家友太(3年)_圧巻4発!!高橋壱晟に続いて「優勝した時の10番」に

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後半21分、青森山田高MF郷家友太が鮮やかな右足シュートを決めて、この日4得点目をマーク

[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[10.22 選手権青森県予選決勝 青森山田高 11-0 八戸学院野辺地西高 青森総合]

 全国連覇を懸けた選手権。青森山田高の10番を背負うU-18日本代表MF郷家友太(3年、神戸内定)にとっては、MF高橋壱晟(現千葉)に続いて「優勝した時の10番」に挑戦する大会となる。

 第1関門となる青森県予選決勝。郷家は圧巻の4得点を叩き出した。まずは前半3分、右サイドからのラストパスを左足ダイレクトで合わせて先制ゴール。その後、攻撃の組み立てにも参加しつつ、積極的に相手の背後を狙った郷家は後半6分に2点目を奪った。相手DFライン後方への浮き球パスを引き出すと、DFを背にボールを収め、強引に右足シュートを打ち切ってゴールを決める。

 さらに後半14分には、左サイドで前方のスペースへパスを送ると、クロスのこぼれ球に反応。右足ダイレクトで放ったボレーシュートがゴール左隅を破った。青森山田ベンチが沸き、味方選手たちも驚きのあまり、笑みを浮かべるしかないようなスーパーゴール。そして21分、左サイドで身体能力の高さを活かした浮き球のボールコントロールからゴール方向へ前進すると、右足を振り抜く。本人が枠上に外れたと思ったという強烈な一撃は“無回転”シュートとなって鋭く落ち、ゴールネットに突き刺さった。

 本人は自身の状態について好調と言い切る。「個人的にも凄く調子いい時期なので、とても良かったです。調子良い時ってシュートが枠に飛ぶので、きょうも止められたところもあったんですけれども枠には入っていたので、そういう面では調子が上がっている証拠かなと思っています」。特に3点目と4点目については「自分的にも痺れました」というゴール。観衆を沸かせるプレーも連発して優勝に貢献した。

 この後はU-18日本代表としてAFC U-19選手権予選(モンゴル)を戦い、帰国後にプレミアリーグ終盤戦、そして選手権全国大会に臨む。注目が集まるのは、やはり選手権。「優勝した時の10番は(高橋)壱晟さんしかいないので、自分もしっかり優勝した時の10番として名前を残して、しっかりとプロの世界へ飛び込んでいきたいと思っています」とチームを連覇へ導く活躍をしてプロ入りすることを誓った。

 目標を達成するためには高橋同様の活躍をしなければならない。昨年度の選手権、高橋は鵬翔高(宮崎)との初戦で先制ゴールを決めたのを皮切りに、続く聖和学園高(宮城)戦でも先制ゴールを決め、正智深谷高(埼玉)戦と東海大仰星(大阪)高戦では決勝ゴール。そして前橋育英高(群馬)との決勝でも先制ゴールを決めた。全国大会の全5試合でゴール。それも勝負を決めるような仕事をして、青森山田を初優勝へ導いた。

 同大会で郷家は抜群の跳躍力やロングスローといった身体能力と技術力を発揮して注目度を高めたが、得点は2つのみ。今年は得点の部分へのこだわりを強めてきた。「(選手権で)優勝できたのは自分の人生の中で凄く嬉しかったですけど、でも個人的には得点を2点しか取れなくて悔しい大会でもあったので、去年の壱晟くんのように、しっかりとチームを救える点というのを選手権では目標にしていきたいです」。選手権注目の10番はチームを勝たせるゴールを決め続ける。

 黒田剛監督も「相当成長したかな、彼は。1年から積み上げてきたこと、また去年の経験、プロに決まったところも含めていろいろなところで責任を感じてチームの中心としてやらなければいけないという姿勢がピッチの中で見えてきた。比較はできないけれど、高橋よりもヘディング、身長も高く、ヘディングの上手さもある。あとは点を取ることに関しては郷家の方が鋭く入っていくので、本当に今後期待できる選手」と期待を寄せる存在。今冬、10番は青森山田、そして選手権の歴史に残るような活躍をして、笑顔で高校サッカーから卒業する。

(取材・文 吉田太郎)
●【特設】高校選手権2017

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