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プレミアでの成長示した米子北、鳥取城北にリベンジ許さず4発完封で8連覇達成!

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米子北が8年連続13回目の出場を決めた

[10.28 選手権鳥取県予選決勝 米子北高 4-0 鳥取城北高 とりスタ]

 第96回全国高校サッカー選手権鳥取県予選決勝が28日に行われ、米子北高鳥取城北高に4-0で勝ち、8年連続13回目の出場を決めた。

 DF昌子源(現鹿島)が2年生だった2009年度の選手権予選決勝で敗れたのを最後に、8年間にわたって県内の公式戦で無敗を続ける米子北の牙城は、今回も揺るがなかった。2年連続の決勝進出で1982年度以来、35年ぶりの優勝を目指した鳥取城北を攻守に圧倒し、順当に予選を突破した。

 先制点は開始3分。米子北の敵陣へのロングパスを、鳥取城北GK嶋田祥希(3年)がエリア外に飛び出して処理したが、高さが出なかった左足キックを米子北MF阿部優貴(2年)がカットすると、ボールはFW城市太志(3年)の足元へ。すかさず城市がゴールを狙い、懸命に戻ろうとしたGK嶋田の手をはじいてゴールに吸い込まれた。

 出鼻をくじかれた鳥取城北も、FW西尾玲哉(2年)のスピードを生かして反撃を試みるが、米子北も冷静に対処してしのぎ、前半12分に早くも追加点を奪う。MF坂田二千翔(3年)のセンタリングのこぼれ球をゴール前で城市が狙い、最初のシュートはGK嶋田に防がれたが、リバウンドを押し込んで2-0とした。

 米子北の中村真吾監督は試合後、「勝負はもつれると思っていて、前半20分を過ぎてからが勝負だと考えていた」と振り返ったが、それまでに2点のリードを奪ったことで、その後は余裕を持った試合展開に。鳥取城北守備陣の体を張った守りの前に追加点こそ奪えなかったものの、球際の強さ、攻守の切り替えの早さで圧倒して前半を終えた。

 後半も流れは変わらず、米子北が常にボールを支配して攻め込む展開が続く。鳥取城北も何とか踏ん張っていたが、米子北が後半21分にMF高橋諒(2年)のパスを受けたDF鍛冶川友貴(3年)が蹴り込んで3点目。さらに25分には、エリア内で相手DFをドリブルで振り切ったDF井上朝陽(3年)が右足で4点目を決めた。

 鳥取城北もその後、何とか一矢報いようとゴール近くまで攻め込む場面は作ったが、米子北の守備網は最後まで崩れず。終わってみれば相手のシュートを0本に封じた米子北が、そのまま4-0で勝利を収めた。

 鳥取城北は昨年の選手権予選、同年12月の新人戦、今年のインターハイ予選と3大会続けて決勝で米子北に敗れており、雪辱を期して臨んだが、またも及ばず。小池晋平監督は「いかに得点を取るか、というサッカーをしてきたので、取れなかったのは残念」と振り返った。

 ただ、米子北への挑戦権争いという点では、今年度プリンスリーグ中国に参戦している境高をインターハイ予選に続いて準決勝で下し、決勝まで勝ち上がった。「早いプレッシャーの中でもしっかりボールを扱える技術をもっと高めていかなければいけない」(小池監督)という課題を見据えつつ、2年続けて全国行きに近づいた経験をさらなる強化につなげていきたい。

 米子北は今年度プレミアリーグWESTに初参戦しており、この日のプレーぶりは、昨年度までのプリンスリーグ中国よりも厳しい戦いの中で、攻守にパワーアップしていることを感じさせるものだった。インターハイは初戦の2回戦で富山一高(富山)に敗れており、選手権は再チャレンジの舞台。主将のDF三原貫汰(3年)は「夏は悔しい思いをしたので、冬は1試合でも多く、チームのみんなと試合をしたいと思っています。そのために今後のプレミアリーグ、さらに練習で細かいところまで突き詰めていきたい」と、本番までのレベルアップを誓っていた。

(取材・文 石倉利英)
●【特設】高校選手権2017

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