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[MOM484]関西大FW加賀山泰毅(3年)_頭で2発!!167cmの“なんでもやれる”ゴールハンター

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頭で2発を叩き込み、阪南大撃破の立役者となった加賀山

[11.4 第95回関西学生L後期第9節 阪南大1-2関西大 西京極]

 混戦の続く関西学生リーグ。関西大はびわこ成蹊スポーツ大、近畿大に敗れ、インカレ出場のためにも負けられないという状況だ。前田雅文監督は「うちは上手いチームではないのに、気持ちやハードワークという部分をすっぽかしていた」と敗因を分析。関西選手権の覇者・阪南大戦に臨むにあたり、「勝つとしたら、一体感の部分。これまで応援に見合うだけのプレーができていなかった。今日はスタンドも含めた全員で闘おう」と選手たちを鼓舞した。

 試合は9分にCKから草野侑己(3年=JFAアカデミー福島)が先制点を決め、早々に阪南大が先制。しかし、前田監督も「良いタイミングで取り返せた」と振り返ったように、直後の12分にCKで加賀山泰毅(3年=JFAアカデミー福島)がヘッドで合わせ、振り出しに戻す。阪南大がボール支配率は上回りつつも、決定機で決めきれない中、関西大はCKから再び加賀山が決めて逆転。連敗にピリオドを打ち、スタンドの仲間たちと歓喜を分かち合った。

 ヘディングで2得点を挙げ、勝利の立役者となった加賀山だが、身長167cmと体格的に恵まれているわけではない。「小さいし、ずば抜けたスピードがあるわけでもない。だけど、左右で蹴れてヘディングも負けない。なんでもやれるFW」と前田監督が評価する関西大のゴールハンターだ。この日の2ゴールは「どちらも人を外したニアで合わせられた」と本人が語るように体格をハンデとせず、相手の位置を読んだ動き出しの質で決めたものだ。

 今季はここまで8ゴールを記録するが、前期はなかなかゴールを決めることができず、苦しんだ。チームが縦へ速いスタイルを志向したことで、持ち味を発揮できなかったことも一因だったが、「ゴールを獲れなくて、ナーバスになっていた」時期もあったという。

 後期は相手の最終ラインに対する仕掛け方をチーム全体で増やすようになり、加賀山がチャンスに顔を出す回数も増えた。加えて「夏くらいから自分は『調子いいんだ』って思おうとしたことで、ゴール以外の部分も自信を持ってやれた」という本人のポジティブシンキングも好循環になっているようだ。

 この日は高校時代のチームメイト・草野侑己が先にゴールを決めたため「絶対に自分も獲ろうと思った」とFWらしい負けん気の強さものぞかせる。さらに今年はJFAアカデミー福島の後輩・延祐太(立命館大1年)の活躍も大いに刺激になっている。ライバルたちの存在もプラスにとらえ、「『なんでもやれる』だけにもっと精度を上げて欲しい」と前田監督の更なる要求に応えて、関西大の前線に欠かせない選手となるべく、チームを勝利へ、そしてインカレへと導くゴールを次戦も狙う。

(取材・文 蟹江恭代)
●第95回関西学生1部L特集

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